「3月が過ぎるとJリーグ勢もエンジンがかかる」。今後はKリーグ勢が苦戦を強いられる?
もっとも、充実した戦力誇っても浦項に勝てなかった浦和レッズも問題だという。
「浦和は戦力の充実さという点で浦項をはかるに凌いでいるのに、浦項の固い守備を破れなかった。浦和は昨年のACLでも水原三星のような組織的なチームの攻略に手間取っていましたが、今季も同じような脆さを見せた。昨年に続き今年も、Jリーグで見せるような強力さをACLで発揮できないのは、いささか問題なのでは? Jリーグ勢の脆さが見え隠れしました」
そんななかでも印象的だったのが、敵地ながら水原三星に0-0のドローを演じたガンバ大阪だという。
「パトリックと宇佐美の攻撃陣は脅威的でした。ふたりには昨年もKリーグ勢が苦戦しましたが、今季もそれは変わらなかった。水原戦の前半でふたりが放ったシュートがひとつでも決まっていれば、勝利はガンバのものだったでしょう。ガンバは今季もかならずトーナメントを勝ち上がってくるはず。新外国人アデミウソンがチームにフィットしてくれば、さらにその脅威も増すはず。ガンバのホームで迎える2戦目は水原も苦戦を免れないでしょう」
水原だけではない。Jリーグ勢のホームで迎える2度目の対決では、Kリーグ勢が苦戦を強いられることになると、ソ・ホジョン記者は見ている。
「Kリーグ勢は1月から準備をしてACLに挑んでいますが、Jリーグ勢は年末に天皇杯などがあり、新シーズンの準備がKリーグ勢よりも遅い。そのため、Jリーグ勢は過去のACLでも常に2~3月に苦戦してきた。つまり、3月が過ぎるとJリーグ勢もエンジンがかかる。
まして今季はACLのために出場4クラブのJ公式戦が金曜日に行なわれることもあると聞いています。中4日でACLを戦える。対してKリーグ勢は中3日でACLを戦わなければならない。この1日の違いを、Kリーグの監督たちはかなり憂慮しています。Kリーグ勢とJリーグ勢によるACL韓日対決は、Kリーグ優勢のままで終わらないでしょう」
韓国人記者も警戒するJリーグ勢の逆襲。今季ACL日韓対決はまだまだ波乱がありそうだ。
取材・文:慎 武宏
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。
※『サッカーダイジェスト3月10日発売号』では、「2016 Jリーグ開幕記念企画 Jを動かす新・背番号10」と題して、広島の浅野拓磨、浦和の柏木陽介、川崎の大島僚太のインタビュー、さらに鹿島の元10番・本山雅志が語る柴崎岳、43人の現役10番が選ぶ「史上最強の10」など、10番にまつわる話題を一挙に紹介します。
「浦和は戦力の充実さという点で浦項をはかるに凌いでいるのに、浦項の固い守備を破れなかった。浦和は昨年のACLでも水原三星のような組織的なチームの攻略に手間取っていましたが、今季も同じような脆さを見せた。昨年に続き今年も、Jリーグで見せるような強力さをACLで発揮できないのは、いささか問題なのでは? Jリーグ勢の脆さが見え隠れしました」
そんななかでも印象的だったのが、敵地ながら水原三星に0-0のドローを演じたガンバ大阪だという。
「パトリックと宇佐美の攻撃陣は脅威的でした。ふたりには昨年もKリーグ勢が苦戦しましたが、今季もそれは変わらなかった。水原戦の前半でふたりが放ったシュートがひとつでも決まっていれば、勝利はガンバのものだったでしょう。ガンバは今季もかならずトーナメントを勝ち上がってくるはず。新外国人アデミウソンがチームにフィットしてくれば、さらにその脅威も増すはず。ガンバのホームで迎える2戦目は水原も苦戦を免れないでしょう」
水原だけではない。Jリーグ勢のホームで迎える2度目の対決では、Kリーグ勢が苦戦を強いられることになると、ソ・ホジョン記者は見ている。
「Kリーグ勢は1月から準備をしてACLに挑んでいますが、Jリーグ勢は年末に天皇杯などがあり、新シーズンの準備がKリーグ勢よりも遅い。そのため、Jリーグ勢は過去のACLでも常に2~3月に苦戦してきた。つまり、3月が過ぎるとJリーグ勢もエンジンがかかる。
まして今季はACLのために出場4クラブのJ公式戦が金曜日に行なわれることもあると聞いています。中4日でACLを戦える。対してKリーグ勢は中3日でACLを戦わなければならない。この1日の違いを、Kリーグの監督たちはかなり憂慮しています。Kリーグ勢とJリーグ勢によるACL韓日対決は、Kリーグ優勢のままで終わらないでしょう」
韓国人記者も警戒するJリーグ勢の逆襲。今季ACL日韓対決はまだまだ波乱がありそうだ。
取材・文:慎 武宏
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。
※『サッカーダイジェスト3月10日発売号』では、「2016 Jリーグ開幕記念企画 Jを動かす新・背番号10」と題して、広島の浅野拓磨、浦和の柏木陽介、川崎の大島僚太のインタビュー、さらに鹿島の元10番・本山雅志が語る柴崎岳、43人の現役10番が選ぶ「史上最強の10」など、10番にまつわる話題を一挙に紹介します。