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板倉滉は完全回復をアピールも、不安が拭えない森保ジャパンのDF陣。タイ戦で確認すべきことは?

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2023年12月29日

最終ラインをけん引すベき存在

実績十分の谷口。アジア杯でも重要な役割を求められそうだ。(C)SOCCER DIGEST

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 谷口はカタールでプレーしている選手ということで、環境への適応でアドバンテージがある。今回のタイ戦に向けていったん日本に戻り、再びカタールに赴くという移動の負担を強いられるものの、11月のミャンマー戦、シリア戦でも同様の形で良い仕事を見せていた。

 同シリーズでは町田、冨安とコンビを組んでベテランらしい統率力とクレバーさを披露。チーム全体に安心感をもたらした。板倉や伊藤洋が万全とは言い切れない今、谷口はこれまで以上に最終ラインをけん引すベき存在。普段から高い意識を持つ男だが、今回は特に強い自覚を持って代表に合流してもらいたい。

 町田にしても、今季のユニオンSGでの仕事ぶりを見ていれば、タイ戦からアジアカップへの連戦はまったく問題なさそうだ。所属先では3バックの左に入ることが多いが、190センチの左利きDFというのはやはり希少価値がある。攻守両面で活躍する場が広がりそうだ。

 ここまでの代表では谷口とセンターバックを組んだ回数が少ないため、可能であれば、タイ戦で再びトライしておいたほうがいい。板倉を時間限定で起用し、谷口と町田を途中から並べるといった工夫を森保監督には考えてもらいたい。
 
 上記の選手たちを多角的にチェックし、万が一、アジアカップへの参戦が困難な選手が出た場合には、今回の代表活動に帯同している藤井陽也(名古屋)や、11月シリーズに追加招集された渡辺剛(ヘント)らが浮上してきそうだ。

 特に藤井はまだ代表キャップ数がゼロということで、今はタイ戦で出番を得ることが第一。そこで名古屋で見せているような安定感やクレバーさを発揮できれば、先々への希望が出てくる。限られたチャンスを全力で掴みにいくべきだ。

 いずれにしても、盤石な守備陣が形成できなければ、日本の5度目のアジア制覇は難しくなる。それは92年広島、2000年レバノン、04年中国、11年カタールという頂点に立った過去の大会からも言えること。だからこそ、タイ戦では板倉の完全復活を含め、より多くの安心材料を手にしたい。今回はDF陣の一挙手一投足を大いに注視すべきである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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