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「自分がどういう選手か。全然証明できていない」“攻撃的SB”を自負する菅原由勢の本音。冨安健洋の存在も刺激に「僕とは歴然とした差がある」

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2023年12月20日

目に見える数字に物足りなさ

代表の右SBで一番手になりつつあるが、慢心はない。冨安(右)の存在も大きな刺激になっているという。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 自分のことを「攻撃的右SB」と考える彼にしてみれば、ゴールやアシストに絡む回数も物足りないようだ。2023年の日本代表において、菅原の目に見える結果は、ドイツ戦での伊東の先制弾アシストと、11月の2026年北中米W杯アジア2次予選・シリア戦でのリスタート弾くらい。そこは不完全燃焼感が拭えないという。

「ドイツ戦のアシストとシリア戦のゴール以外、数字を残せていないのは、『何してるんだ』という気持ちになりますよね。もっとゴールを決めるチャンスも、アシストをつけられるチャンスもあったわけだから。

 僕自身、出場している時間の割に、自分がどういう選手かというのを全然、証明できていないと思う。『僕は攻撃的選手なんだ』という自負があるなら、もっともっと数字を残さなきゃいけないと強烈に感じているのが今の本音です。

 日本代表というのは、日本人のトップ・トップの選手が集まる場所。そこで出させてもらっているなら、自分の強みを出し続けなければいけないですし、チームを勝たせなきゃいけない。そこに関しては本当に物足りなさを感じます。攻撃の部分はもっともっと突き詰めてやらなきゃいけないと思います」と彼は語気を強めていた。

 日本代表で右SBのファーストチョイスの地位を掴んだと言っていい状況なのに、菅原は常に危機感でいっぱいだ。その要因の1つが、2021夏の東京五輪とカタールW杯での二度の落選だったことは前回書いた。「いつ代表から外されるか分からない」という思いがあるから、努力し続けていなければ落ち着かない。そういうマインドが彼の良いところだ。
 
 加えて言うと、アーセナルで左右のSBをこなしている冨安健洋の存在も大きいだろう。ミケル・アルテタ監督の難解な戦術に見事に応えている選手が身近にいることは、脅威以外の何物でもないのだ。

「トミ君は代表ではセンターバックをやっていますけど、彼がいるといないとではチームが全然違ってくるのは間違いない。個人のレベルの高さを練習からすごく感じます。アーセナルの試合を見ていても、『僕があそこに到達するのはまだまだだな』と実感するし、もし森保監督がトミ君を右SBで使うとしたら、やっぱり僕じゃなくて彼を選ぶと思います。

 それだけ僕とは歴然とした差があるのは確かです。本当に刺激になるし、僕自身、できることはまだまだあるなと。そう考えることが多いですね」と菅原は素直に言う。

 負けじ魂を燃やす23歳の右SBが、追い求める領域はとにかく高い。そこに近づく一歩として、2024年1月1日のタイ戦、その後のアジアカップは重要な舞台になるはずだ。

※第3回終了(全4回)

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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