前監督は守備的で消極的なサッカーを
GKのアレクサンダー・シュラーガー、MFのコンラート・ライマー、マルセル・ザビツァー、ニコラス・ザイバルト、ザベル・シュラーガー……。チームの中軸を担うのは、ザルツブルクDNAを宿した(いずれもザルツブルク所属経験を持つ)選手たちだ。
かわされることなど恐れずに鋭い出足で矢継ぎ早にプレスをかけ続け、狭いスペースでも縦と斜め関係を作りながらダイレクトパスで攻略しゴールを脅かす。ラングニックが基盤を築き上げ、その後、多様な発展を遂げたこのスタイルはもうザルツブルクだけでなく、オーストリア全土における見本として育成の大事な基盤となっている。
オーストリアのフランコ・フォーダ前監督はこうして生まれてきた選手たちの良さを引き出すことができなかった。守備的で消極的なサッカーを要求し、選手は常にハンドブレーキを引くようにしてプレーすることを余儀なくされた。
それこそ前からプレスに行こうとするとストップがかかる。ビルドアップから縦パスを入れようとすると「ロングボールを蹴れ」と怒鳴られる。そんな状態で選手は100%の力を発揮できたりしない。フラストレーションをため込む選手だっていたことだろう。
かわされることなど恐れずに鋭い出足で矢継ぎ早にプレスをかけ続け、狭いスペースでも縦と斜め関係を作りながらダイレクトパスで攻略しゴールを脅かす。ラングニックが基盤を築き上げ、その後、多様な発展を遂げたこのスタイルはもうザルツブルクだけでなく、オーストリア全土における見本として育成の大事な基盤となっている。
オーストリアのフランコ・フォーダ前監督はこうして生まれてきた選手たちの良さを引き出すことができなかった。守備的で消極的なサッカーを要求し、選手は常にハンドブレーキを引くようにしてプレーすることを余儀なくされた。
それこそ前からプレスに行こうとするとストップがかかる。ビルドアップから縦パスを入れようとすると「ロングボールを蹴れ」と怒鳴られる。そんな状態で選手は100%の力を発揮できたりしない。フラストレーションをため込む選手だっていたことだろう。
ラングニックはそんな代表選手にとって待ちに待った監督だった。自分たちが得意とするサッカー、実力を発揮できるサッカーを誰よりもよく知り、守ってくれる監督なのだから。
ラングニックがつかんでいる手ごたえは相当なものがあるはずだ。自分のイメージするサッカーを最大限に支持し、最大限のエネルギーをもたらしてくれるチームがそこにある。
「チームを愛してるし、選手を愛している。われわれにはいろんな選択肢がある。選手層は厚くて、いろんなバリエーションがあるんだ。だれもがプレーするに値する選手だ。(EURO2024で)どんなグループに入って、相手がどこになろうと行けるところまで行きたい。今日のようなレベルでプレーができたらどんな相手にでも勝つことはできる」
ラングニックの母国であるドイツで開催されるEURO2024で、指揮官と相思相愛のオーストリアが旋風を巻き起こす可能性はかなりあるのではないだろうか。
取材・文●中野吉之伴
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