その成果には確固たる手応え
ただ、あれだけ継続の重要性を強調し、若い力を伸ばそうとした岩政監督が、本当に強いチームを作れるとしたら、来年以降だったのではないか。そんな疑問がどうしても拭えない。個の成長やビルドアップの精度アップにフォーカスした岩政監督も、その成果には確固たる手応えを感じている様子だ。
「ビルドアップに関しては、最終節のサッカーを見れば、選手たちが苦しんだものを打ち破ったことが分かると思います。今週の紅白戦を見ていても、スタメン組もサブ組も何のためらいもなく、怖がらずにプレーするようになった。
勝とうが負けようが、毎週毎週、繰り返すことを続けた結果だと思います。それがチームが良くなることの何よりの近道だと僕は思います」と、指揮官は最終節後の会見で力強くコメントしていた。
個のレベルアップに関しても、最終節に躍動した松村優太が「岩政監督のおかげで成長できた」と語ったように、指揮官の粘り強いアプローチが大きかったと感じている選手は少なくないようだ。
「実のところ、僕は夏にレンタルで外に出ていくことを心の中でほぼ決めていたんです。そんな時、岩政監督と1時間半くらい話して『もうちょっとだ』と、ものすごく引き留められた。僕自身はメンバーの決め方とかも『なんでやねん』と思った時もあったけど、最終的には、あの人の考えた通りになった。大きな成長を実感できたし、本当に感謝してます」と、松村は偽らざる本音を吐露したのだ。
そういった感謝の念を抱いているのは、日本代表入りした佐野海舟、良いシーズンを過ごしたディエゴ・ピトゥカも同じだろう。岩政監督も「鈴木優磨と安西(幸輝)がキャリアハイのゴールとアシストを記録し、植田(直通)もフル出場して素晴らしいパフォーマンスを披露した。仲間(隼斗)や樋口(雄太)もそうだった。苦労してキャリアを積んだ選手たちが、これまでの中で一番良いシーズンだと言って、良い活躍をしたのは確かだと思います」と、複数の選手名を挙げて前向きに評価した。勝負弱いイメージを残した岩政体制だったかもしれないが、収穫も少なくなかったのだ。
「ビルドアップに関しては、最終節のサッカーを見れば、選手たちが苦しんだものを打ち破ったことが分かると思います。今週の紅白戦を見ていても、スタメン組もサブ組も何のためらいもなく、怖がらずにプレーするようになった。
勝とうが負けようが、毎週毎週、繰り返すことを続けた結果だと思います。それがチームが良くなることの何よりの近道だと僕は思います」と、指揮官は最終節後の会見で力強くコメントしていた。
個のレベルアップに関しても、最終節に躍動した松村優太が「岩政監督のおかげで成長できた」と語ったように、指揮官の粘り強いアプローチが大きかったと感じている選手は少なくないようだ。
「実のところ、僕は夏にレンタルで外に出ていくことを心の中でほぼ決めていたんです。そんな時、岩政監督と1時間半くらい話して『もうちょっとだ』と、ものすごく引き留められた。僕自身はメンバーの決め方とかも『なんでやねん』と思った時もあったけど、最終的には、あの人の考えた通りになった。大きな成長を実感できたし、本当に感謝してます」と、松村は偽らざる本音を吐露したのだ。
そういった感謝の念を抱いているのは、日本代表入りした佐野海舟、良いシーズンを過ごしたディエゴ・ピトゥカも同じだろう。岩政監督も「鈴木優磨と安西(幸輝)がキャリアハイのゴールとアシストを記録し、植田(直通)もフル出場して素晴らしいパフォーマンスを披露した。仲間(隼斗)や樋口(雄太)もそうだった。苦労してキャリアを積んだ選手たちが、これまでの中で一番良いシーズンだと言って、良い活躍をしたのは確かだと思います」と、複数の選手名を挙げて前向きに評価した。勝負弱いイメージを残した岩政体制だったかもしれないが、収穫も少なくなかったのだ。
「序盤戦で勝てず、神戸にホームで1-5で大敗した時、岩政監督とはずいぶんと話をしました。自分たちがやろうとしたことを整理して、そこからはチームとして良くなっていったと思います。そのまま行って、マリノスに勝てれば状況は変わっていた。
最後の6試合は、自分たちが立ち返るものが見えづらかった。そういう意味では自分たちのスタイルが少し明確にならなかったと思います」
吉岡FDも残念そうに説明したが、横浜戦から終盤にかけての失速が致命傷となった。12月4日、契約期間満了に伴い、岩政監督の退任が正式発表。1つの時代が終わってしまった鹿島。5位で事実上の解任というのは、本当に厳しい出来事だ。
岩政監督ほどクラブ愛の強い指揮官もそうそういなかっただけに、この結末は残念でならない。そう感じるファン・サポーターも少なくないはずだ。
※第2回終了(全3回)
取材・文●元川悦子(フリーライター)
J1で5位でも“スタイルが見えない”とばっさり。岩政大樹が目ざしたものとは?「積み上げていくしかない。諦めずにトライし続けた」
なぜ鹿島は柴崎岳を求めたのか。チームの矢印を明確にできる存在。「満男さんじゃないけど...」強力なリーダーシップに指揮官も期待
「馬鹿にされていた僕に対して...」元鹿島戦士、岩政大樹への感謝綴る「アドバイスをし続けてくれた唯一の選手」
最後の6試合は、自分たちが立ち返るものが見えづらかった。そういう意味では自分たちのスタイルが少し明確にならなかったと思います」
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岩政監督ほどクラブ愛の強い指揮官もそうそういなかっただけに、この結末は残念でならない。そう感じるファン・サポーターも少なくないはずだ。
※第2回終了(全3回)
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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