放ったシュートはわずか2本で指揮官も「びっくり」。
チームメイトの奮闘を称賛する守護神は、「アウェーでの開幕戦で、“堅さ”は見せられた」(六反)と自信をのぞかせる。しかしながら、それで満足しているわけでは決してない。自慢の堅守で虎の子の1点を守り抜き、敵地での開幕戦で勝点3を奪ったとはいえ、「これを最低限のスタートラインにしなければいけない」と表情を引き締めた。
「今、チームが掲げているサッカーは、堅いだけでなく、しっかりと攻めること。今日のゲーム内容で言えば、2点目、3点目を取れるような力が付いてくれば、もっと上に行けるのではないかと思います」
指揮官も、こちらが想像していたより、笑顔が少なかった。チームとして攻撃面でのさらなるステップアップを目指している以上、“1点だけ”では合格点を与えるわけにはいかないのだろう。
「90分間、圧倒し続けて勝てるのが理想」(渡邉監督)だが、堅守が持ち味の仙台のチームカラーを考えても、文字通りそれは理想であり、現時点では現実的ではない。
ならば、自分たちの時間帯にどれだけチャンスを築けるか。「点差によって、相手の圧力や我々の圧力が変化するなかで、それをどうやって発揮できるか」(渡邉監督)が重要になってくる。
ゲームを支配できていた前半だったが、放ったシュートはわずか2本。この結果に渡邉監督も「少なくてびっくりしている」と正直な感想を述べる。
高い位置で奪ったボールをいかにシュートにまで持っていくか。その回数をひとつでも増やしていくことで“圧力”を増していかなければならない。その点では、まだまだ仙台は迫力に欠けている。
ウイルソンがサイドに流れてできたスペースに2列目の選手がタイミング良く走り込む形や、奥埜博亮や金久保順の流動的な動き出し、梁勇基の展開力、ボランチの新戦力である三田の優れた攻撃センスなど、多彩なアタックを繰り出す要素は揃っている。あとは、それらをどうやってつなぎ合わせて、ゴールに結びつけるか。
また、6分には2トップの一角を占めるウイルソンがフリーで打ったシュートを枠に収められず、63分には奥埜が決定的なチャンスを決め切れなかった。個々のフィニッシュの精度を高める作業も必要になってくるだろう。
守備の向上を図り、同時に攻撃力も上げていく。上手くいけば当然、チーム力はさらに高まるが、失敗すれば、攻守のバランスが崩れて負のスパイラルに陥る危険性がある。
渡邉体制3年目の今季は、勝負のシーズンでもある。残留が目標のチームではない。上位に食い込んでいくためにも、この開幕戦の勝利を無駄にしないためにも、次節以降も攻守両面でのバージョンアップに挑戦し続けながら、逞しい戦いぶりを期待したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
「今、チームが掲げているサッカーは、堅いだけでなく、しっかりと攻めること。今日のゲーム内容で言えば、2点目、3点目を取れるような力が付いてくれば、もっと上に行けるのではないかと思います」
指揮官も、こちらが想像していたより、笑顔が少なかった。チームとして攻撃面でのさらなるステップアップを目指している以上、“1点だけ”では合格点を与えるわけにはいかないのだろう。
「90分間、圧倒し続けて勝てるのが理想」(渡邉監督)だが、堅守が持ち味の仙台のチームカラーを考えても、文字通りそれは理想であり、現時点では現実的ではない。
ならば、自分たちの時間帯にどれだけチャンスを築けるか。「点差によって、相手の圧力や我々の圧力が変化するなかで、それをどうやって発揮できるか」(渡邉監督)が重要になってくる。
ゲームを支配できていた前半だったが、放ったシュートはわずか2本。この結果に渡邉監督も「少なくてびっくりしている」と正直な感想を述べる。
高い位置で奪ったボールをいかにシュートにまで持っていくか。その回数をひとつでも増やしていくことで“圧力”を増していかなければならない。その点では、まだまだ仙台は迫力に欠けている。
ウイルソンがサイドに流れてできたスペースに2列目の選手がタイミング良く走り込む形や、奥埜博亮や金久保順の流動的な動き出し、梁勇基の展開力、ボランチの新戦力である三田の優れた攻撃センスなど、多彩なアタックを繰り出す要素は揃っている。あとは、それらをどうやってつなぎ合わせて、ゴールに結びつけるか。
また、6分には2トップの一角を占めるウイルソンがフリーで打ったシュートを枠に収められず、63分には奥埜が決定的なチャンスを決め切れなかった。個々のフィニッシュの精度を高める作業も必要になってくるだろう。
守備の向上を図り、同時に攻撃力も上げていく。上手くいけば当然、チーム力はさらに高まるが、失敗すれば、攻守のバランスが崩れて負のスパイラルに陥る危険性がある。
渡邉体制3年目の今季は、勝負のシーズンでもある。残留が目標のチームではない。上位に食い込んでいくためにも、この開幕戦の勝利を無駄にしないためにも、次節以降も攻守両面でのバージョンアップに挑戦し続けながら、逞しい戦いぶりを期待したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)