「エスパを退団してから、まだ日本平に戻っていないんですよ」
2月21日の鹿島とのプレシーズンマッチで、兵働はボランチでフル出場を果たす。結果は1-2の敗戦。先制されながらも一時は同点に追いつくなど、格上の相手に対して水戸の戦いぶりはそこまで悪くなかった。しかし、「そういう時に勝たないと、リーグ戦ではダメ。最低でも勝点1に持っていく。そこらへんはもう少し、シビアに考えなければ」と、兵働に笑顔はない。
【PHOTOギャラリー|鹿島2-1水戸】
兵働個人のパフォーマンスは、ミドルゾーンで前を向いてボールを足もとに収め、攻撃をセットアップする場面が少なくなかった。
アシストのひとつ前のパスの供給源――水戸の得点力を左右するであろう大役が、背番号7の左足にかかっていると言っても過言ではない。
正直、清水を退団した後は、その実力に見合った活躍を示せていない。柏ではリーグ優勝を経験するも、主力として貢献できなかった。千葉では背番号10を託されたが、チームをJ1昇格に導けなかった。そして大分では、先述したようにJ3降格の悔しさを味わった。
このままキャリアを終わらせるわけにはいかない。
そう言葉にしたわけではないが、「今は行くべきか行かないほうがいいのか、パスも早く出すか、それとも優しくするかとか、当たり前のことだけど、そういうところを突き詰めてやれるようになってきている」と言うだけに、プロとしての向上心は尽きていないのだろう。
「結果を出せても、クビになることはある。1年1年が勝負。ただ、そういうヒリヒリした環境にいれるのは、なかなかないこと。この齢になっても、そういう環境に身を置いて仕事ができるのは、ありがたい」
モチベーションを高く保てている理由は、もうひとつある。6年間を過ごした古巣・清水との対戦だ。
「そこはもう、本当に自分の中では、ね。エスパを退団してから、まだ僕、日本平に戻っていないんですよ(編集部・注/11年の柏所属時のアウェーゲームではメンバーに入れず)。今年は同じカテゴリーなので、チャンスがある。あとは自分が結果を出して、試合に出続けられれば、その時は来ると思うんで」
その瞳に揺るぎない決意を宿らせる兵働昭弘のプロ12年目のシーズンが、間もなく始まる。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
【PHOTOギャラリー|鹿島2-1水戸】
兵働個人のパフォーマンスは、ミドルゾーンで前を向いてボールを足もとに収め、攻撃をセットアップする場面が少なくなかった。
アシストのひとつ前のパスの供給源――水戸の得点力を左右するであろう大役が、背番号7の左足にかかっていると言っても過言ではない。
正直、清水を退団した後は、その実力に見合った活躍を示せていない。柏ではリーグ優勝を経験するも、主力として貢献できなかった。千葉では背番号10を託されたが、チームをJ1昇格に導けなかった。そして大分では、先述したようにJ3降格の悔しさを味わった。
このままキャリアを終わらせるわけにはいかない。
そう言葉にしたわけではないが、「今は行くべきか行かないほうがいいのか、パスも早く出すか、それとも優しくするかとか、当たり前のことだけど、そういうところを突き詰めてやれるようになってきている」と言うだけに、プロとしての向上心は尽きていないのだろう。
「結果を出せても、クビになることはある。1年1年が勝負。ただ、そういうヒリヒリした環境にいれるのは、なかなかないこと。この齢になっても、そういう環境に身を置いて仕事ができるのは、ありがたい」
モチベーションを高く保てている理由は、もうひとつある。6年間を過ごした古巣・清水との対戦だ。
「そこはもう、本当に自分の中では、ね。エスパを退団してから、まだ僕、日本平に戻っていないんですよ(編集部・注/11年の柏所属時のアウェーゲームではメンバーに入れず)。今年は同じカテゴリーなので、チャンスがある。あとは自分が結果を出して、試合に出続けられれば、その時は来ると思うんで」
その瞳に揺るぎない決意を宿らせる兵働昭弘のプロ12年目のシーズンが、間もなく始まる。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)