シーズン前のインタビューでは、海外から見たWEリーグについて「試合を見ていて、アメリカと比べて、つまんないとは思わない。 本当に各々の選手が、面白い、良いものを持っている」と評していた。実際にプレーして、どう感じたのかを尋ねると、こう答えた。

「６試合を戦ってみて、思っていた通りという感じ。選手のアイデアは、すごく魅力的。そういったところを、どんどん自分たちで、もっともっと質を上げて良いサッカーをお見せできるように。自分たちだけではなく、WEリーグ全体でやっていけたらいい」

　アメリカとの違いに関しては、こう分析した。

「やろうとしているサッカーが違うというか、NWSLのほうが、各チームの特色や個々の選手の強み、個性、特徴が、すごくバラバラ。 それは、悪い意味ではなくて。日本の選手は、プレースタイルや、やろうとしているサッカーが似ている。そのへんは、アメリカと日本の違い。日本の選手のほうが器用な人も多いし、アメリカの選手のほうがスピードやフィジカルを全面に押し出しながら。そこは違い」

　11月には、いよいよ３季目のWEリーグが開幕する。リーグ創設時から、カップ戦を含めたすべてのタイトルを、三菱重工浦和レッズレディース、INAC神戸レオネッサ、日テレ・東京ヴェルディベレーザが占めてきた。

　今回のWEリーグカップで新たな女王が誕生したが、それでも“３強”は健在で、この状況に、熟練アタッカーは一石を投じる思いを強くする。
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「シーズンが始まる前に、監督から『本気でトップスリーを目ざさないか』という話があった。そのことについて、毎試合、もう一度意識付けというか、トップスリーを目ざしてしていくっていう話もしている。そこを意識してやるかやらないかで、日頃の練習からの意識は全然違う。本気でトップスリーを目ざしに行っていると感じる。その結果が、決勝の舞台だった。

　今年も『あの３チームのどこかが勝つんでしょ」となるよりも、どこが勝つか分からないほうが面白いと思う。そこは一つ、今日の決勝で見せられた。ただ、トップスリーが弱くなったかというと、全然そんなことはない」

　開幕戦の相手は、川澄がかつて所属したI神戸だ。WEリーグカップのグループステージ第５節では１－０で勝利した。それでも、「実際に対戦してみて、INACさんは強い」と油断はまったくない。

　古巣との対決を前に、川澄は相手がリベンジも含めて、自身を強く意識してくると想定。敵地開催である点も合わせて、「チャレンジャーとして臨む」と意気込んだ。
　
取材・文●野口一郎（サッカーダイジェストWeb編集部）

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