「今は背負っているものが何もない(笑)」
確かにフィニッシュの部分以外は、パーフェクトと言っていいような出来だった。40分の2点目も浅野拓磨(ボーフム)の左クロスに対し、南野がニアに飛び込み、相手DFをかく乱。オウンゴールを引き出したし、42分の中村敬斗のチーム3点目も、浅野がラストパスを送った瞬間、南野が中に入って敵を引き付ける役割を担っていた。
孤立しがちな1トップの浅野とできるだけ近い距離を取って、サポートの意識を強く押し出していたし、実際にプレスバックしてボールも奪っていた。伊東純也&中村敬斗とのフランスコンビとの関係性も円滑にしようとポジション取りに配慮。南野らしい機転の利いた動きが随所に見られたのは間違いない。
「僕は碧よりも拓磨に近い距離でプレーすることを心掛けていたし、拓磨が何本もキープしてくれて、チームが前進できた。純也と敬斗も武器のある選手なんで、お互いの良さを出しながらやろうと意識してました。
ただ、自己評価は全然満足できないかなと。今日のポジションはモナコでやっているところとは違うし、改善すべきところはたくさんある。スムーズさというのをもっと突き詰めていかないといけないと思うし、そのなかで自分の良さも出さないといけない」と、南野はリスタートの一戦で改めて危機感を吐露していた。
サッカーは結果がすべてというのは南野自身が誰よりもよく分かっているはず。カナダ戦でも2点を叩き出した田中がマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたが、得点を取れる選手が重視されるのは当然のこと。
南野が鎌田を上回れるとしたら、そこだろう。そういう観点で見ると、今回のカナダ戦は物足りなさや不完全燃焼感も残ったはずだが、代表のトップ下やインサイドハーフでもモナコの感覚を持ち込む作業を徹底し、感覚を研ぎ澄ませていけば、「2列目のフィニッシャー」としての地位を確立できるのではないか。そんな手応えを感じさせたのはポジティブな点だ。
孤立しがちな1トップの浅野とできるだけ近い距離を取って、サポートの意識を強く押し出していたし、実際にプレスバックしてボールも奪っていた。伊東純也&中村敬斗とのフランスコンビとの関係性も円滑にしようとポジション取りに配慮。南野らしい機転の利いた動きが随所に見られたのは間違いない。
「僕は碧よりも拓磨に近い距離でプレーすることを心掛けていたし、拓磨が何本もキープしてくれて、チームが前進できた。純也と敬斗も武器のある選手なんで、お互いの良さを出しながらやろうと意識してました。
ただ、自己評価は全然満足できないかなと。今日のポジションはモナコでやっているところとは違うし、改善すべきところはたくさんある。スムーズさというのをもっと突き詰めていかないといけないと思うし、そのなかで自分の良さも出さないといけない」と、南野はリスタートの一戦で改めて危機感を吐露していた。
サッカーは結果がすべてというのは南野自身が誰よりもよく分かっているはず。カナダ戦でも2点を叩き出した田中がマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたが、得点を取れる選手が重視されるのは当然のこと。
南野が鎌田を上回れるとしたら、そこだろう。そういう観点で見ると、今回のカナダ戦は物足りなさや不完全燃焼感も残ったはずだが、代表のトップ下やインサイドハーフでもモナコの感覚を持ち込む作業を徹底し、感覚を研ぎ澄ませていけば、「2列目のフィニッシャー」としての地位を確立できるのではないか。そんな手応えを感じさせたのはポジティブな点だ。
「今は背負っているものが何もない(笑)。カタール・ワールドカップまではやっぱり難しさもあったし、10番を付けていたこともそう。周りの声をシャットアウトしてても、入ってくることはあるし、自分でも『やらないと』っていう気持ちがあったから」と南野は晴れ晴れとした表情で話したが、2018年秋の第一次森保ジャパン発足時の頃のようなチャレンジャー精神を取り戻したのは朗報だ。
原点回帰し、ゼロからポジションを取りに行く意識で突き進めば、次の3年は違った形になるだろう。本当の勝負はここからだ。
鎌田は鎌田で、新天地で苦しんでおり、活躍が保証されているわけではない。森保監督も所属クラブでの活躍も加味して選手選考をしていくはず。そのためにも南野は「継続」を大事にするしかない。
17日のチュニジア戦では、人材不足の左サイドで出場する可能性もあるが、それも含めて、とにかく「結果」を残すことに集中してもらいたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
カナダ戦に見られる“23人枠”を想定したシミュレーションとサバイバル。特筆すべきトピックは毎熊晟矢の起用法
10番不在の夜に鮮やかに戻ってきた“元10番”。南野拓実の再浮上で森保ジャパンに生まれた「新たな悩み」
原点回帰し、ゼロからポジションを取りに行く意識で突き進めば、次の3年は違った形になるだろう。本当の勝負はここからだ。
鎌田は鎌田で、新天地で苦しんでおり、活躍が保証されているわけではない。森保監督も所属クラブでの活躍も加味して選手選考をしていくはず。そのためにも南野は「継続」を大事にするしかない。
17日のチュニジア戦では、人材不足の左サイドで出場する可能性もあるが、それも含めて、とにかく「結果」を残すことに集中してもらいたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
カナダ戦に見られる“23人枠”を想定したシミュレーションとサバイバル。特筆すべきトピックは毎熊晟矢の起用法
10番不在の夜に鮮やかに戻ってきた“元10番”。南野拓実の再浮上で森保ジャパンに生まれた「新たな悩み」