偉大な先輩・徳永涼への憧憬。2年生ボランチ石井陽は、巻き返しを期す前橋育英の光明に

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年10月04日

徳永とは「もっと深い話をしたい」

 石井の口から出てくる言葉の熱量は、どこから来ているのか。彼と話していると、昨年のキャプテンであり、ボランチの徳永涼(筑波大)の名前がいつも出てくる。

 徳永はチームをインターハイ優勝に導き、年代別日本代表にも選ばれた昨年のチームの“心臓”だ。筑波大でも1年から出番を掴み、将来の日本代表として期待を集める彼は、石井にとって憧れであり、目標だ。

 石井はいつも「涼さんだったら、どうしていたか」を考えている。もちろん特徴が異なる部分はあるが、彼の中ではピッチ内外の徳永の立ち振る舞いが基準になっている。

「涼さんだったら、この苦しい時期はどうしたかを考えると、自分自身に厳しくしていたし、責任感を持ってプレーしていた。攻守において身体を張って、守備面では絶対に入れ替わらないように寄せ方を工夫したり、球際に絶対に負けない強い気持ちを持ったりしていた。

 攻撃面ではリズムを出すために、しっかりとスペースを狙いながら、ボールを出したらもう一度関わって展開したり、決定的なパスを出したりしていたので、そこを僕もやれるようにならないといけないと思っています」
 
 石井は徳永とよく連絡を取っているという。分からないことや悩んでいることを伝えたりもするが、徳永もまた後輩の気持ちを察してか、ここぞというタイミングでアドバイスを送っている。

「インターハイ3回戦の尚志戦(0-1)が終わった後も、涼さんは『もっと縦パスをつけて、お前が攻撃を活性化させろ』とLINEをくれました。そこはずっと練習から意識していて、なるべくファーストタッチで前を見て、相手の動き、味方の動きを見逃さずにゴールに繋がるプレーを狙い続けることを大事にしています。ターンは良くなっているからこそ、ラストパスや逃すパスの部分の精度をもっと上げていきたいと思っています」

 尊敬する先輩のアドバイスをきちんと吸収し、新たな課題を見つけては、質問しながら、自分自身の技術的、精神的な成長を追求する。石井はこの自己研鑽の輪廻の中に身を置いて、現在の苦境を脱する糸口を探している。その先に広がる新たな景色を見ることと、「もっと深い話をしたい」と語る徳永とのコミュニケーションのレベルアップを信じて。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

「怪我をしなければいいなと」森保監督が北朝鮮のラフプレーに言及。来年3月にA代表も対戦「審判が守ってくれると信じて挑みたい」

「我々の行動は受け入れられる」日本戦で暴徒化の北朝鮮、指揮官の言い分に海外メディア驚き「まったく反省がない」【アジア大会】

「なんという礼儀正しさ」「称賛すべきだ」中国指揮官へ一斉に深々とお辞儀...日本女子代表の振る舞いに相手国から賛辞!「我々も見習う価値がある」【アジア大会】
【関連記事】
インハイ優勝キャプテン徳永涼の大学サッカーが本格始動。焦りに駆られるも地道な歩み「やるべきことをノートに書いて整理できた」
「我々の行動は受け入れられる」日本戦で暴徒化の北朝鮮、指揮官の言い分に海外メディア驚き「まったく反省がない」【アジア大会】
「怪我をしなければいいなと」森保監督が北朝鮮のラフプレーに言及。来年3月にA代表も対戦「審判が守ってくれると信じて挑みたい」
「なんという礼儀正しさ」「称賛すべきだ」中国指揮官へ一斉に深々とお辞儀...日本女子代表の振る舞いに相手国から賛辞!「我々も見習う価値がある」【アジア大会】
「ニッポンの主軸は誰も来なかった。恐ろしい」日本女子の強さに中国のファンは驚愕!「正直、我が主力が若手に勝てないとは予想外」【アジア大会】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ