途中出場の伊東、遠藤、冨安が別格の存在感
ボランチでコンビを組んだ伊藤敦樹と田中碧はトルコのプレッシャーをいなせず、慌ててプレーしていたように見えた。森保一監督は多くの選手にチャンスを与えながら勝利に導いたが、ボランチの組み合わせを再考する必要があったんじゃないかな。
代表経験の少ない選手で構成されたスタメンのなかで、ベテランの谷口とキャプテンマークを巻いた田中はもっとチームをコーチングして“締めて”ほしかった。彼らがもっと全体をコントロールできていたら、ハーフタイムでベンチに下がった毎熊晟矢や堂安律、中村らはもっとプレー時間が増えていただろう。
キーパーの中村航輔は怪我による交代で不運としか言いようがない。
新戦力としてアピールに成功したのは、鮮やかなミドルで代表初ゴールを決めた伊藤敦と、右サイドバックで精力的な動きを見せた毎熊だ。中村は2得点を奪ったが、他の場面で違いを見せられなかった。ウインガーならもっと守備で貢献しないと、スタメンの座を掴むのは厳しいだろう。
代表経験の少ない選手で構成されたスタメンのなかで、ベテランの谷口とキャプテンマークを巻いた田中はもっとチームをコーチングして“締めて”ほしかった。彼らがもっと全体をコントロールできていたら、ハーフタイムでベンチに下がった毎熊晟矢や堂安律、中村らはもっとプレー時間が増えていただろう。
キーパーの中村航輔は怪我による交代で不運としか言いようがない。
新戦力としてアピールに成功したのは、鮮やかなミドルで代表初ゴールを決めた伊藤敦と、右サイドバックで精力的な動きを見せた毎熊だ。中村は2得点を奪ったが、他の場面で違いを見せられなかった。ウインガーならもっと守備で貢献しないと、スタメンの座を掴むのは厳しいだろう。
攻撃陣で、誰よりも違いを見せたのは久保建英だ。古橋亨梧の動き出しに合わせてパスを出せていたし、何より彼がボールを持つとチームが落ち着く。周りにコーチングしながらひとりで攻撃をリードしていた。一方、堂安はあまり見せ場を作れなかった。本来、10番は試合を決めるのが仕事だが、トルコ戦に限れば久保こそが10番にふさわしい働きだったと言える。
後半からピッチに立った選手では、伊東純也、遠藤航、冨安健洋が別格の存在感を放った。
この3人がピッチにいるだけで、他の選手は安心してプレーできる雰囲気が生まれる。守備陣がハイラインを保てるから、中盤が締まる。
彼らが入るまで、日本はゴールこそ奪えていたものの、どこかワクワクしなかったのは、久保以外でチームをコントロールできる選手がいなかったからだろう。
どんな試合も負けてはいけないが、ただ勝てばいいというわけでもない。強化試合なのだから、もっと新戦力がアピールしてほしかった。前田大然、橋岡大樹、シュミット・ダニエルなど、欧州で活躍する選手もアピール不足。レギュラー組とサブ組の差を露呈する試合となったね。
【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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