【藤田俊哉の目】痛快だった日韓戦の勝利。ただ、このままなら世界では勝てない

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2016年02月01日

センターラインに配置したいオーバーエイジ枠の選手。

藤田氏は、手倉森監督が作り上げたチームには「一体感」の強さを感じると言う。オーバーエイジは、この一体感をベースに、活用すべきと語る。

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 リオへのチケットを手にして、アジアのタイトルも獲得し、しかもライバル韓国への苦手意識も払拭するような勝利を手にした。この大会を通してチームとしてワンランク上のレベルへと尻上がりに成長できた。そのことを考えると、日本にとってこの最終予選で得られたものは計り知れないし、純粋にこのチームのファンが増えたんじゃないかな。本大会でも応援したくなる、そんな期待を抱かせるチームだよね。
 
 ただ、半年後の本大会に目を向けると、このままではおそらく世界で勝つことはできないだろう。本大会では韓国以上のツワモノが集まる。毎試合、韓国戦のような劇的な勝利を期待するのは酷だ。
 
 ワールドカップがそうであるようにアジアレベルと世界レベルは別次元なのだから。さらなるスケールアップをはかるうえでも、メダル獲得という目標を達成してもらうためにも、オーバーエイジ枠は絶対に活用すべきだ。
 
 手倉森監督のチームの最大の武器は、「一体感」だ。スター不在ということもあるのかもしれないけれど、守備をベースとしたチーム作りをしてきただけあって、本当にチームとしてひとつにまとまっている。このベースを大事にしながら、プラスアルファとしてオーバーエイジ枠を使うのがベターだろう。常套手段として、センターラインにオーバーエイジを入れて、エリアごとの”化学反応“を促してひと回りスケールアップを図っていきたい。
 
 ただ、前回のコラムでも触れたように、A代表での競争力を高めるためにも、GKの櫛引は育てる義務があるんじゃないかな。彼のような伸びしろを感じさせるプレーヤーは、「育成枠」として本大会を経験させるべきだろう。本音を言えば、純粋な競争のなかでポジションを勝ち取るべきだから、そんな悠長なことを言っていられないのだろうけれど……。いずれにせよ、“最強“のチームを目指して、これから半年、チームも選手も成長し続け、オリンピックの舞台でも思い切りプレーしてもらいたいね。
 
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