• トップ
  • ニュース一覧
  • 【セリエA現地コラム】スクデットが遠のくインテル。マンチーニ監督は「前線で待っているだけでは何の役にも立たない」と攻撃陣を辛辣批判……

【セリエA現地コラム】スクデットが遠のくインテル。マンチーニ監督は「前線で待っているだけでは何の役にも立たない」と攻撃陣を辛辣批判……

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2016年01月28日

アタッカー陣はパスを引き出す動きに乏しく…。

昨シーズンは22ゴールを挙げてセリエA得点王に輝いたイカルディだが、今シーズンはここまでわずか8ゴールと本領を発揮できていない。(C)Getty Images

画像を見る

 インテルのサッカーは、攻撃と守備がややちぐはぐなところがある。
 
 守備では、少なくとも8人(4DF+4MF)、できればCFのマウロ・イカルディを除く9人をボールのラインより後ろに戻して低い位置に堅固なブロックを構築し、自陣でボールを奪うという手堅い戦術をとる。
 
 また攻撃では、あまり速攻にこだわらず、自陣からパスをつないでビルドアップし、最後の30メートルはイカルディやステバン・ヨベティッチ、アデム・リャイッチ、イバン・ペリシッチといったアタッカー陣の個人能力に局面打開を委ねている。
 
 にもかかわらず、ビルドアップを担うべきCB、そしてセントラルMFはいずれも十分なゲームメイクのセンスとテクニックを備えておらず、良い形で前線にボールが届く機会はきわめて少ないのだ。
 
 そのうえ攻撃陣も、2ライン(DFとMF)間でマークを外してパスを引き出すオフ・ザ・ボールの動きが乏しく、ヨベティッチやリャイッチは足下に、イカルディは裏のスペースにボールを要求するばかり。
 
 マンチーニ監督が「攻撃陣は組み立てからフィニッシュまでもっと仕事をしなければダメだ」というのも、まさにその点を指摘している。
 
「前線で待っているだけでは何の役にも立たない」という言葉が、キャプテンに指名するほど期待をかけながら、それに見合った仕事をせず、ボールが来ないのを嘆くばかりのイカルディに向けられているのは明らかだ。
 
 しかしもちろん、攻撃陣がタスクをしないのも、それができるようにトレーニングするのも、他の誰でもないマンチーニ自身の責任である。
 
 指揮官がこの問題をピッチ上で解決できない限り、インテルが不振を脱却するのは難しいだろう。
 
文:片野道郎
 
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。
【関連記事】
【セリエA現地コラム】「ゼロトップ・システム」の生みの親。5年半ぶり復帰のスパレッティはローマをどう変える?
【長友佑都|独占インタビュー】愛するインテルでの復活劇、そして日本代表への提言
【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「アバーテなどから賞賛の声が挙がる一方で、チームと同じ決定的な難点を抱え……」
【移籍専門記者】PSGでの未来に確信が持てないカバーニ。チェルシーとユナイテッドは法外なオファーも辞さない構えだ!
【欧州冬のメルカート】現地1月27日に決定した主な移籍|グアリンとラミレスが中国、A・コールが米国へ! タウンゼントはニューカッスル行き

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ