ドイツにとっては、格下の日本に連敗するのは許されない。もし森保ジャパンに負けたら、監督は解任されるかもしれない。それくらいの厳しさが大国にはあって、日本とは状況が違う。

　森保ジャパンはカタール・ワールドカップでドイツとスペイン（ともに２－１）に勝ったけど、決勝トーナメントでは１勝もできなかった。国際大会では、グループステージとトーナメントでは厳しさが変わってくる。

　だから、カタール大会を「ドイツとスペインに勝てた」ではなくて、「2002年、10年、18年と同様に、ベスト16で敗退した」と総括するのが正確な振り返りだと思う。

　ワールドカップでベスト８以上に進むためには、強豪国相手の勝利が求められる。代表チームには、もっと厳しい目を向けるべきだ。
 

　カタール大会の後、日本はエルサルバドル（６－０）とペルー（４－１）には勝てたけど、強豪相手では、ウルグアイに１－１で引き分けて、コロンビアには１－２で敗れた。今回、ドイツに負けたら、格上の国には勝てないということになってしまう。

　大国が相手であっても、フォーカスするべきは結果だ。内容に焦点を当てると、勝てなくても「健闘した」「得るものがあった」という逃げ道を作ってしまいがちだ。結果に注目すれば、どんなに内容が良くても、負けは負けでしかない。

　負けても「ドンマイ、ドンマイ」で済ませているようでは、いつまで経っても強豪国の仲間入りはできないよ。

　森保ジャパンが、本物か、本物じゃないのか。日本に必要なのは、勝利だ。

【著者プロフィール】
セルジオ越後（せるじお・えちご）／1945年７月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部（現・湘南ベルマーレ）で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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