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「日本のスタイルに恋をしていた」なでしこJを絶賛したブラジル人記者が悔やんだスウェーデン戦の“過ち”。何が足りなかったのか【現地発】

カテゴリ:女子サッカー

リカルド・セティオン

2023年08月19日

ブラジルのレジェンドも「日本のプレーを見るのは喜び」

 この試合で、私がこれまでのゲームでも感じていた2つの事実が明らかになった。ひとつは日本選手のテクニックの高さ、そしてもう一つは試合の勝ち切るための冷静さとメンタリティの不足だ。少なくともスウェーデンは、この勝者のメンタリティを持っていた。

 今大会、誰もが池田太監督のことを誉めそやしていた。彼は素晴らしいチームを作った。インテリジェンスのある戦術、プレーのビジョン、純粋で本物のサッカーだった。選手たちが優秀だったのはもちろんだが、日本がこの大会で素晴らしいプレーを見せたのは彼の手腕に負うところも大きい。

 スピーディーで聡明で、戦術的で勇敢。多くのサポーターが日本のサッカーに拍手を送り、世界中の記者が日本のプレースタイルに恋をしていた。もちろん、私もそのひとりだ。おそらく今大会で最もいい印象を残したのは日本だろう。
 
 元ブラジル女子代表で、多くのタイトルを勝ち取って来たフォルミガもこう言っていた。

「日本は今大会で一番現代的なサッカーを見せてくれたし、日本ほどひとつにまとまっていたチームはなかった。日本のプレーを見るのは喜びでもあった」

 あと少しの違いで全てが変わっていたかと思うと、本当に残念でならない。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

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