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【韓国メディアの視点】早ければ準決勝で日韓戦。その際に韓国は「守備に比重を置く可能性が高い」

カテゴリ:連載・コラム

慎武宏

2016年01月19日

日本の組織力は素晴らしいが、リーダーがいない。ただ、韓国も…。

A代表でも活躍するクォン・チャンフンは、もっとも警戒すべき選手。今予選のイエメン戦でハットトリックを達成している。(C)Getty Images

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 ちなみにU-23日本代表を見ながらチェ記者が連想するのは、2012年ロンドン五輪に出場した当時のU-23韓国代表だという。ホン・ミョンボ監督が率いた同チームは、韓国に五輪初の銅メダルをもたらしているが、その当時のチームと似た印象を受けるという。
 
「ロンドン五輪時のU-23韓国代表は、選手同士の息が合っていて連係プレーなど組織力を備えたチームでした。今の日本にもそういった組織力を感じます。ただ、チームの雰囲気を作り引っ張っていく、確かなリーダーがいない。ロンドン五輪時の韓国で言えば、ク・ジャチョルやキ・ソンヨンのような存在です。

 ただ、それは今大会のU-23韓国代表にも言えることで、韓国も同じ悩みを抱えています。今回のU-23韓国代表は“谷間世代”と表現されており、前回のロンドン五輪時メンバーたちとなにかと比較され、歴代最弱とも言われています。そのため国民たちの期待値もさほど高くないのです」
 
 それでもシン・テヨン監督率いるU-23韓国代表はイエメン、ウズベキスタンに勝利して早々とグループC突破を決めた。日韓が順当に勝ち進めば、リオ五輪出場権獲得を賭けて対決する可能性も出てきたわけだが、もし実現した場合、チェ記者はどう展望するのだろうか。
 
「両チームともにグループリーグを通じて調子を上げてきているだけに、互いに簡単ではない勝負になるはずです。韓国のシン・テヨン監督は攻撃的な戦術を活用していますが、日本に負けるとその衝撃波も大きいので、韓日戦になれば守備に比重を置く可能性が高いでしょう。日本が警戒すべき選手ですか? 最前線のファン・フィチャンとMFのクォン・チャンフンでしょう」
 
 ファン・フィチャンはまだ20歳ながらオーストリアのザルツブルクでプレーしており、シン・テヨン監督が「現在のアタッカー陣の中では最高」と信頼を寄せている。水原三星に属するクォン・チャンフンは昨年にA代表デビューも飾った急成長株。イエメン戦ではハットトリックも決めている。
 
「ふたりが韓国の攻撃のキープレーヤーになることは間違いありませんが、日本も簡単にはゴールを割らせてくれないでしょう。となると90分間では決着がつかず、延長戦やPK決着までもつれる可能性がある。できればその対決が、ともに出場権を獲得した決勝で実現すればいいのでしょうが、いずれにしても熾烈な勝負になるでしょうね。なにしろ韓日戦ですから」

取材・文:慎 武宏
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。
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