南葛で若手によくする話とは?
一番長く過ごした仙台時代も、関口にとっては不可欠だ。東日本大震災の起きた2011年にJ1・4位に躍進し、翌12年にJ1・2位まで順位を上げたこの2年間はとりわけ印象深い。当時、チームを率いていた手倉森誠監督(現チョンブリー)と関口は7年近くも共闘。強い絆で結ばれている。
「誠さんには本当に可愛がってもらったし、試合にも使ってもらいましたね。誠さんの下であれだけ試合に出ていなければ、その後の成長はなかった。外国人アタッカーを重視するクラブが多いなかで、誠さんは日本人選手を大事にしていたのも大きかったと思います」としみじみ語る。
手倉森監督はコーチ経験が長かったこともあり、選手に寄り添いながら対話することを大事にしていた。20歳前後の頃、関口は移籍願望を打ち明け、ひざを交えて話し合ったことがあったという。
「当時の僕は、2008年の北京五輪を目ざしていた。でもJ2にいたんで、反町(康治)監督になかなか見てもらえなかったんです。今でこそJ2からも選手が選ばれるようになりましたけど、あの頃は基本的にJ1からしか選ばないという感じだったんです。
それで誠さんに『J1へ移籍したい』と伝えたら、『今の環境に残って試合に出続けることに意味がある』と言われた。その言葉を受け止めて、自分は仙台に踏み止まった。
逆に同期だった萬代(宏樹)は2008年にジュビロ(磐田)移籍を選びましたよね。でも、新天地であまり試合に絡めなくて苦労していた。そういう様子を目の当たりにして、誠さんが止めてくれたことに感謝した。仙台から離れていたら、2011年のザックジャパン入りも、今の自分も、なかったと思いますね」と関口は改めて感謝の念を口にした。
「誠さんには本当に可愛がってもらったし、試合にも使ってもらいましたね。誠さんの下であれだけ試合に出ていなければ、その後の成長はなかった。外国人アタッカーを重視するクラブが多いなかで、誠さんは日本人選手を大事にしていたのも大きかったと思います」としみじみ語る。
手倉森監督はコーチ経験が長かったこともあり、選手に寄り添いながら対話することを大事にしていた。20歳前後の頃、関口は移籍願望を打ち明け、ひざを交えて話し合ったことがあったという。
「当時の僕は、2008年の北京五輪を目ざしていた。でもJ2にいたんで、反町(康治)監督になかなか見てもらえなかったんです。今でこそJ2からも選手が選ばれるようになりましたけど、あの頃は基本的にJ1からしか選ばないという感じだったんです。
それで誠さんに『J1へ移籍したい』と伝えたら、『今の環境に残って試合に出続けることに意味がある』と言われた。その言葉を受け止めて、自分は仙台に踏み止まった。
逆に同期だった萬代(宏樹)は2008年にジュビロ(磐田)移籍を選びましたよね。でも、新天地であまり試合に絡めなくて苦労していた。そういう様子を目の当たりにして、誠さんが止めてくれたことに感謝した。仙台から離れていたら、2011年のザックジャパン入りも、今の自分も、なかったと思いますね」と関口は改めて感謝の念を口にした。
手倉森監督の次に長い時間をともにしたのが、2015~19年まで5年間、一緒に戦った渡邉晋監督(現・山形)だ。特に2018年は、シュミット・ダニエルや板倉滉、西村拓真、野津田岳人といった、のちに代表入りするタレントたちと共闘。J1の順位こそ11位にとどまったが、関口は新たな刺激を受けたという。
「ナベさんは現代サッカーを志向する指導者で、5レーンで戦いながら、そのレーンの中で1人で2人を困らせろと。そういうのはすごく面白かった。残留争いをした年もありましたけど、J1で4連勝することもあったので、しっかり戦えれば勝てるチームだったと思う。若い分、波が出ちゃったりはしていましたけど、良いチームだったと感じますね」
波のある若い選手が多いというのは、今の南葛SCも同じ。Jリーグ未経験の大卒選手も少なくないため、関口としては西村や板倉、野津田らに接していた時のように、しっかりとした対話を心がけている。
「『アマチュアリーグだから許されているけど、Jリーグで同じことをやっていたらもう使われないよ』といった話はよくします。若い選手は、そうそうチャンスは巡ってこないわけだから、それをしっかり掴まないと先はない。
ベテラン選手はそういうことを乗り越えて、チャンスを掴んでここまで来たわけですからね。そこが違うってことを若手にはよく分かってほしいし、目の前の一つひとつのプレーを大事にしてほしい。その積み重ねしかないんですよ」
数多くの名指導者から薫陶を受けてきたプロ20年目のアタッカーの言葉は重い。高い意識を持ち続ける関口が、南葛の底上げの原動力になってくれれば理想的だ。
※第2回終了(全3回)
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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