【マドリー番記者の視点】早計に過ぎる指揮官交代。ジダン新監督には茨の道が待っている

カテゴリ:連載・コラム

パブロ・ポロ

2016年01月08日

ジダンを解任する時はペレスがクラブを去る時だ。

イスコ(左)やハメスなど、自身の現役時代とタイプのよく似たファンタジスタを、ジダンはどう操るのか。注目ポイントのひとつだ。(C)Getty Images

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 就任会見でも語っていたように、ジダンはベニテス時代の基本布陣を大幅に変えたりはしないだろう。軸となるのは4-2-3-1。BBC(カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、クリスチアーノ・ロナウド)の同時起用を明言しており、トニ・クロースやルカ・モドリッチにも引き続き出番を与えるだろう。

 注目はハメス、イスコという、自身の現役時代に近いタスクをこなす選手たちをどう使うかだ。とくにジダンが獲得したとも言えるイスコの出場時間は、大幅に増えるだろう。イスコをトップ下に配した4-2-3-1は非常に興味深い。

 カスティージャ時代にジダンは、中盤にディフェンス専門のMFを置かなかった。それを考慮すると、MFで最も守備的なカゼミーロの立場は難しくなるかもしれない。また来シーズンに向けては、ジダンが最もお気に入りの選手として挙げていたエデン・アザール(チェルシー)の獲得が現実味を帯びてくる。ジダンに声をかけられて気持ちが揺れない選手はいないからだ。

 いずれにせよ、ベニテスの解任もジダンの招聘も、早計に過ぎる決断だ。

 ペレス会長はこれで、最後のカードを切ったことになる。結果が出ないからといって、ジダンほどの大きな存在を簡単にはクビにできない。この英雄が解任される時が訪れるとすれば、それはすなわち、ペレスがクラブを去る時でもある。

文:パブロ・ポロ(マルカ紙)
翻訳:豊福晋
 
【著者プロフィール】
Pablo POLO(パブロ・ポロ)/スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
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