伊藤監督も「まずはひとつ、トレーニングから積極的に取り組んでくれていることと、あとはコンディション、身体のバランスがだいぶ良くなってきたと思います。一時期はコンディション不良で、ちょっと痛いところがありながらやっていたり、少し冷静さを欠いてプレーしたりしていたことがありましたけど、今の状況はメンタルも、身体の部分も、すごくマッチしてきたのかなと思っています」と、心身ともに良い状態になっているのを見逃さなかった。

「練習中からすごく良い感じでやれていましたし、結果を残せていない中でも監督がこうやって使ってくれて本当に感謝しています」とホ・ヨンジュンは、辛抱強く状態が上がるのを待って起用してくれた伊藤監督に感謝の言葉を述べた。そして、「僕を信じて仙台に来るきっかけを作ってくれた仙台の関係者にも感謝を伝えたいですね」と強化スタッフにも感謝していた。

　試合は55分に、徳島MF杉本太郎に得点を許し、１－１で引き分けたのもあり「ゴールは決めましたが、引き分けてしまったので正直満足していません」と語ったホ・ヨンジュン。「もっとコミュニケーションを取らないといけません。個人的にもトレーニング中からもっとゴールを意識してプレーしたいですね」と今後のゴール量産にも意欲を見せた。
 

　現在、J２リーグ８位（22試合終了時点）につける仙台としては、期待のストライカーがようやく覚醒しつつあるのは大きな収穫だ。

　囲み取材の後、「今後も期待しています」と伝えると、ホ・ヨンジュンは韓国スターのようなキラキラした“ヨン様スマイル”を見せて去って行った。ゴールを量産し、こうした笑顔が多くの試合で見られれば、仙台はJ２後半戦、浮上していけるはずだ。

取材・文●小林健志（フリーライター）

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