チームは１−１で80分を終え、延長戦でも決着をつけられなかったが、辛くもＰＫ戦で勝利。２大会連続10回目のインターハイ出場を手にした。高卒でのプロ入りを狙う尾野にとって、夏の全国舞台はスカウト陣にアピールをする上で格好の場となる。５月にＪ２のクラブの練習に参加したが、現状ではオファーは届いておらず、インターハイに懸ける想いは強い。

「（世代別代表に選ばれている吉永、藤井、内川らと比べて）、自分の存在を知っている人が少ない。知っている人は知っているというレベル。全国的に自分の名前は知られていないし、高校選抜に昨季選ばれなかったのもけっこうショックだったので、（夏の全国大会では）攻撃面で違いをもっと見せないといけない。

　同世代のライバルたちもいるので その選手たちに負けられない。チームとしてもちろん優勝を目ざすけど、個人としては幅広いプレーやダイナミックな飛び出しをアピールしたいです。もちろん代表にも入りたいですし、 全国大会を通じて自分の名前が取り上げられるようになりたい」

　気合は十分。ライバルたちとは異なるカラーを持つ左サイドバックは、自分の道を切り開くために夏の全国での飛躍を誓う。

取材・文●松尾祐希（サッカーライター）

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