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ガルナチョの衝撃――大スランプから這い上がった同志社大GK波多野崇史の決意。成長の跡が見えた2つのビッグセーブ

カテゴリ:大学

安藤隆人

2023年06月17日

肥大する矛盾…悪循環に陥る

桃山学院大戦では好守連発で今季初の完封勝利に貢献。写真:安藤隆人

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 衝撃が全身を走った。「これが世界レベルか」という体感よりも、「身体能力と反応は僕がこれから先、GKとして生きていくうえで最重要になる武器なのに、それが全く歯が立たないという現実を目の当たりにして、それが自分の中でずっと消化できなくなってしまったんです」。

 目の前に現われたとてつもない才能に、自分の自信を根こそぎ持っていかれた感覚に陥ってしまったのだ。

 ここから歯車が狂い出した。アルゼンチン戦から2か月後の8月に広島の練習に参加すると、今度は林卓人や大迫の技術レベルの高さに圧倒された。

「卓人さん、敬介さんはシュートコースに入るのが上手いし、かつ速いボールでもしっかりとボールや周りを見て弾くことができる。でも、自分はどうかというと、コースに入れているのにボールの速さについていけないという現実を目の当たりにしたんです。

 2人と自分と比べれば比べるほど、『俺はこの2人のレベルまで到達できるのか』と疑問を抱いてしまう自分がいて、さらに自信がなくなっていった。でも心の中ではプロになりたい、2人を超えたいと思っているし、翌年のU-20ワールドカップにも出たいと思っている自分がいる。その矛盾がどんどん大きくなっていく…もう悪循環ですよね」
 
 自信が失われていく自分に焦り、大学に戻ってから、がむしゃらに練習して、自分を必要以上に追い込んでしまった結果、9月に後十字靭帯を損傷。それでも無理して3週間ほどトレーニングをしてしまったことで、さらに悪化して9月末には動けない状態に陥ってしまった。

「完全にオーバーワークでした。結果としてもう昨年の後半はサッカーができない状態にまで自分を追い込んでしまった。でも、サッカーから一度離れたことで自分としっかりと向き合うことができたんです」

 サッカーができないからこそ、なぜ自分はここまで自信を奪われてしまったのか、どこが課題で、今後どこを伸ばしていかないといけないのかを冷静に考えることができた。そこで気づいたのは、あまりにも自分が身体能力と感覚に頼ってプレーしていたことだった。

「基礎を疎かにしていた。ステップワーク、身体の向き、ポジショニング、セービングの姿勢、キャッチング技術など、全ての基礎の部分をもう一度しっかりやらないといけないと。今、考えると僕のプレーはかなり勢い任せで雑でした。そこに繊細さを求めるようになったんです」

 GKとして、これまで自分がなぜこのシュートを止めることができたのか、なぜ止められなかったのかなどを分析し、感覚に理論や現象の裏付けを加えながら、プレーイメージを自分に落とし込んだ。
 
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