【高校選手権】札幌大谷 1(5PK4)1 鹿児島城西|自称「ちょこちょこPK」のGK坂が“2ゴール・3ビッグセーブ”の大活躍。U-18フットサル日本代表候補の実力を見せつける
カテゴリ:高校・ユース・その他
2015年12月31日
独特のルーティンから、PK戦でも冷静にゴールを陥れる
U‐18フットサル日本代表候補でもある坂は、まさかの“GK登場”に会場がざわつくなか、PKスポットから後ろに7歩、さらに左横に2歩行ったところで心を落ち着けた。
審判の笛が鳴ってから十数秒後、ずっとその場に立ち続けていた坂が、「メンバー落ちした人たちのためにも」という想いも胸に秘めて、ようやく動き出す。
“ちょこちょこ”と一歩、また一歩とスローテンポでボールに歩み寄り、そして──。相手GKを嘲笑うかのように冷静に右足で蹴り込んだ。
「選手権予選前の大阪遠征から取り入れた」このルーティンについて、坂は次のように話す。
「自分がやられたら嫌なことをしようとしています。相手のGKを焦らして、駆け引きに勝つ。そういうところを意識しながら、やっています」
ちなみに、ラグビー日本代表の五郎丸のルーティンを見て、坂は「俺と同じようなことをやっている」と思ったという。
後半の25分に今度はビッグセーブでチームを救った坂は、その後も味方のバックパスを華麗な足技でさばいて相手FWを翻ろうするなど、会場を大いに沸かせた。
結局、試合は1-1で終了。PK戦で札幌大谷の一番手として登場した坂は、そこでも独自のルーティンを経て再びゴールネットを揺らすと、鹿児島城西のキッカーふたりのシュートをブロック。勝利の立役者となった。試合中に1ゴール、1ビッグセーブ、そしてPK戦で1ゴール、2ビッグセーブと、坂は文字通り主役級の輝きを放ったのだ(試合は札幌大谷がPK戦5-4で勝利)。
中学時代は主にFWでプレーしていた坂は、北海道予選でもPKからゴールを挙げており、この試合でもキッカーを務めることは事前から決まっていた。だから、本人には、驚きも、焦りもなかった。
試合中にPKを決めて「気持ちが乗った」坂は、「高校で、自分の出た試合に限れば、PK戦で負けたことはない」自信もあり、鹿児島城西の猛攻を凌ぎ切ると、PK戦でも堂々の振る舞いを見せた。
PK戦での2セーブのうち、ひとつは右足に当てたものだった。「試合中も1本あったんですけど、下の速いボールは足でいったほうが速いので、そういうところでフットサルの経験は生きています」
目標はドイツ代表のノイアーと言いながらも、高校卒業後は今のところフットサル一本に絞る予定だという坂。もしかするとサッカーでの最後の大舞台になるかもしれない今回の高校選手権では、「(県予選から続けてきた)無失点はなくなってしまいましたが、勝負にこだわって優勝を目指したい」。
ミックスゾーンでチームメイトから「得点王、狙え!」と声をかけられた坂が、GK兼PKキッカーとして今大会を大いに盛り上げてくれることだろう。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
審判の笛が鳴ってから十数秒後、ずっとその場に立ち続けていた坂が、「メンバー落ちした人たちのためにも」という想いも胸に秘めて、ようやく動き出す。
“ちょこちょこ”と一歩、また一歩とスローテンポでボールに歩み寄り、そして──。相手GKを嘲笑うかのように冷静に右足で蹴り込んだ。
「選手権予選前の大阪遠征から取り入れた」このルーティンについて、坂は次のように話す。
「自分がやられたら嫌なことをしようとしています。相手のGKを焦らして、駆け引きに勝つ。そういうところを意識しながら、やっています」
ちなみに、ラグビー日本代表の五郎丸のルーティンを見て、坂は「俺と同じようなことをやっている」と思ったという。
後半の25分に今度はビッグセーブでチームを救った坂は、その後も味方のバックパスを華麗な足技でさばいて相手FWを翻ろうするなど、会場を大いに沸かせた。
結局、試合は1-1で終了。PK戦で札幌大谷の一番手として登場した坂は、そこでも独自のルーティンを経て再びゴールネットを揺らすと、鹿児島城西のキッカーふたりのシュートをブロック。勝利の立役者となった。試合中に1ゴール、1ビッグセーブ、そしてPK戦で1ゴール、2ビッグセーブと、坂は文字通り主役級の輝きを放ったのだ(試合は札幌大谷がPK戦5-4で勝利)。
中学時代は主にFWでプレーしていた坂は、北海道予選でもPKからゴールを挙げており、この試合でもキッカーを務めることは事前から決まっていた。だから、本人には、驚きも、焦りもなかった。
試合中にPKを決めて「気持ちが乗った」坂は、「高校で、自分の出た試合に限れば、PK戦で負けたことはない」自信もあり、鹿児島城西の猛攻を凌ぎ切ると、PK戦でも堂々の振る舞いを見せた。
PK戦での2セーブのうち、ひとつは右足に当てたものだった。「試合中も1本あったんですけど、下の速いボールは足でいったほうが速いので、そういうところでフットサルの経験は生きています」
目標はドイツ代表のノイアーと言いながらも、高校卒業後は今のところフットサル一本に絞る予定だという坂。もしかするとサッカーでの最後の大舞台になるかもしれない今回の高校選手権では、「(県予選から続けてきた)無失点はなくなってしまいましたが、勝負にこだわって優勝を目指したい」。
ミックスゾーンでチームメイトから「得点王、狙え!」と声をかけられた坂が、GK兼PKキッカーとして今大会を大いに盛り上げてくれることだろう。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)