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自分だけ不合格、入学後も出番は少なく…「負けっぱなしは嫌だ」流経大柏の田中ショーン涼太が紡ぐ成り上がりストーリー

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年05月09日

自分のプレーに足りなかった責任感

不屈の精神で成長を遂げてきた。ポテンシャルは高く、さらなる飛躍も期待できる逸材だ。写真:安藤隆人

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 FC多摩からは田中を含めた4人が流経大柏を希望して練習に参加したが、1度目は田中だけが合格しなかった。一緒に練習参加した古川、MF山口裕也、DF北村温人の3人が一発合格するという状況だったが、流経大柏のサッカーに惹かれた田中は決して諦めなかった。

「どうしても流経柏に行きたいです。もう一度、練習参加させてください」と直談判し、2度目の練習参加でついに合格を勝ち取った。

 希望の高校に入ることはできた。しかし、中学時代にレギュラー争いに敗れた古川もいて、さらに他のチームから一発合格した実力派たちが集結する環境である現実から、3年間でトップチームの試合に出られる算段が低いことは、田中自身がよく分かっていた。

 実際にルーキーリーグでは古川、山口、北村が活躍を見せるなかで、田中だけはあまり出番を得られなかった。それでも「負けっぱなしは嫌だった」と彼は腐らなかった。

 2年生になると、セカンドチームはプリンスリーグ関東に所属し、メンバーのほとんどが2年生だった。スタートは試合に絡めなかったが、後期に差し掛かると少しずつ出番を得られるようになった。
 
 着実に成長している。だが、そこで田中はもう一度、自分のあり方を見直すことができた。

「自分は一生懸命やっていたのですが、なぜ使われないのかと考えた時に、自分のプレーに責任感が足りないと思うようになりました。セットプレーの練習とかでも、不用意に自分のマークを外してしまったり、マークの受け渡しが曖昧になってしまったりすることが多かった。それでは周りから信頼されるはずがないし、試合に使ってもらえるはずがないと気づいたんです」

 これまでは自分の長所であるヘッドやスピード、クロス、そして対人の強さを磨くことばかりに懸命になっていた。それだけではなく、チームにおける自分の献身性だったり、周りを助けるプレーができるようにならないと、今の序列はいつまで経っても変わらないということに気づけたことが、大きな転機となった。

 今年の新春高校サッカー強化研修大会(通称・裏選手権)で右サイドハーフとして出番を掴むと、サイドでの激しいアップダウンとクロスの質、ヘッドの強さ、そこに加わった献身性を評価され、ついにトップチームで頭角を現した。
 
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