【CLポイント解説】作戦通りだったチェルシーと、その術中にはまったポルト

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2015年12月10日

ポルトはボールを支配したが肝心のゴール前で…。

この日のD・コスタ(右)は動き出しの質に優れ、ポルト守備陣の脅威となり続けた。(C)Getty Images

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■ポイント2
D・コスタのオフ・ザ・ボールの動き

 
 一方、ポルトは完全に敵の術中にはまった。攻撃に頭数を割く狙いだったのだろうが、ゼロトップ状態の前線は攻撃陣が中央に集まり気味。ボール支配率は59%まで上がったが、肝心のペナルティーエリア付近でチャンスの芽を摘み取られた。前半に敵GKクルトワにセーブを強いたシュートは1本だけ。そのブライミによる1本も半ば強引なミドルで、無難に防がれた。
 
 チェルシーも直近のリーグ戦2試合では、アザールを「偽9番」に起用していた。しかし、この日はD・コスタの1トップ復活が的中。2試合連続のベンチスタートという薬が効いたのか、今シーズンの批判対象だったオフ・ザ・ボールの動きが改善されていた。
 
 先制のラッキーゴールも、D・コスタがアザールのパスを予期して動き出していたからこそ生まれたもの。オスカールが追加点に迫った28分のチャンスにも、ダイアゴナルランで相手DFを引き付けたエースの動きが絡んでいた。
 
 
■ポイント3
ゼロトップ状態にこだわったポルトのミステイク

 
 対照的に、ポルトの前線には起点となれるCFが不在で、後半頭からの投入もなかった。アブバカルがピッチに立ったのは56分だ。
 
 だが、その4分前にチェルシーはウィリアンがネットを揺らし、リードを2点差に広げていた。D・コスタのポストワークを経由したチャンスだった。追加点で緊張感も解れた勝軍は、D・コスタがフィニッシュも含めて本調子であれば、少なくとも70分と79分のカウンターのどちらか一方で3点目を奪っていたはずだ。
 
 後手に回った敗軍の虚しさは、後半ロスタイム93分の一場面に象徴された。アブバカルが力強いキープからクロスを上げ、ブライミが強烈なボレー。ボールは惜しくも枠外へと飛び、チェルシーのグループ首位を告げる笛が鳴った。
 
文:山中忍
 
【15-16 CL】全試合のフォーメーション&結果――グループステージ6節[12月8日~9日]
 
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