サンフレ劇場は広島が抱える慢性的な問題を緩和させる一助に。
広島のホームゲームで勝利後、サポータースタンドの前でいつしか行われるようになったサンフレ劇場。サポーターの前に何人かの選手が集まり、パフォーマンスを行ない、サポーターを喜ばせ、時にすべりつつも、ともに勝利を分かち合うのが恒例行事になった。
ただ喜び合っているだけに見えるこの行事は、エディオンスタジアム広島が抱える問題と密接にリンクしている。というのも都心部から少し距離があるスタジアム。渋滞、駐車場不足は慢性的な問題となっている。
そして、公共交通機関となるとバスとアストラムライン。試合後の混雑は相当なもの。そこで、サンフレ劇場なのである。試合後の帰宅の客が、一斉に帰ることのないように、渋滞が少しでも緩和されるようにとの思いが、サンフレ劇場には込められているのだ。
この劇場だってバス会社や市や県から表彰されてもなにも問題はないだろう。
ところで、CS第2戦が行なわれた広島ではあるが、宿泊施設の不足も深刻だ。サポーター、マスコミ、この試合にかかわる人たちからホテルが取れないという言葉を数多く聞いた。
最近は海外からの観光客が多く、研究学会の会合のようなものも週末にはよく開かれる。それらは、前もって予定が立てられているので、ホテルの確保などが容易かもしれないが、CSはというと広島の対戦相手が決まるのが1週間前。すでにその時には、満室のホテルが少なくなく、予約が取れない事態になっている。
漫画喫茶で夜を明かす記者もいると聞いた。試合方式など賛否両論のCSではあるが、交通、宿泊を含め日程のことも見直すべき点は多い。
ただ、第2戦エディオンスタジアム広島の雰囲気は素晴らしかった。浅野拓磨のドリブルに、スタンドの観衆は大いに沸いた。こういう試合、こういう雰囲気が各地のリーグ戦で1試合でも多く見ることができたら、Jリーグはさらに盛り上がっていくはず。物議を醸したCSだったが、そうした可能性を感じ取ることはできた。
文:平畠啓史(芸人/『Jリーグマッチデーハイライト』MC)
◆プロフィール
ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ、大阪府出身。高校時代にサッカーの全国大会に出場した経験を持つ。関西大卒業後、山口智充とお笑いコンビ『DonDokoDon』を結成し、ツッコミを担当。国内外を問わず、1日5試合を見る時もあるなど、芸能界屈指のサッカー通として知られ、芸人ならではのマニアックな視点でサッカーの本質に“ツッコミ”を入れる。スカパー!のサッカー中継、番組MCなどで活躍する一方、サッカーダイジェスト誌のコラム『アディショナルタイムに独り言』で健筆をふるう。
ただ喜び合っているだけに見えるこの行事は、エディオンスタジアム広島が抱える問題と密接にリンクしている。というのも都心部から少し距離があるスタジアム。渋滞、駐車場不足は慢性的な問題となっている。
そして、公共交通機関となるとバスとアストラムライン。試合後の混雑は相当なもの。そこで、サンフレ劇場なのである。試合後の帰宅の客が、一斉に帰ることのないように、渋滞が少しでも緩和されるようにとの思いが、サンフレ劇場には込められているのだ。
この劇場だってバス会社や市や県から表彰されてもなにも問題はないだろう。
ところで、CS第2戦が行なわれた広島ではあるが、宿泊施設の不足も深刻だ。サポーター、マスコミ、この試合にかかわる人たちからホテルが取れないという言葉を数多く聞いた。
最近は海外からの観光客が多く、研究学会の会合のようなものも週末にはよく開かれる。それらは、前もって予定が立てられているので、ホテルの確保などが容易かもしれないが、CSはというと広島の対戦相手が決まるのが1週間前。すでにその時には、満室のホテルが少なくなく、予約が取れない事態になっている。
漫画喫茶で夜を明かす記者もいると聞いた。試合方式など賛否両論のCSではあるが、交通、宿泊を含め日程のことも見直すべき点は多い。
ただ、第2戦エディオンスタジアム広島の雰囲気は素晴らしかった。浅野拓磨のドリブルに、スタンドの観衆は大いに沸いた。こういう試合、こういう雰囲気が各地のリーグ戦で1試合でも多く見ることができたら、Jリーグはさらに盛り上がっていくはず。物議を醸したCSだったが、そうした可能性を感じ取ることはできた。
文:平畠啓史(芸人/『Jリーグマッチデーハイライト』MC)
◆プロフィール
ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ、大阪府出身。高校時代にサッカーの全国大会に出場した経験を持つ。関西大卒業後、山口智充とお笑いコンビ『DonDokoDon』を結成し、ツッコミを担当。国内外を問わず、1日5試合を見る時もあるなど、芸能界屈指のサッカー通として知られ、芸人ならではのマニアックな視点でサッカーの本質に“ツッコミ”を入れる。スカパー!のサッカー中継、番組MCなどで活躍する一方、サッカーダイジェスト誌のコラム『アディショナルタイムに独り言』で健筆をふるう。