勝利に直結する試合運びを浸透させた井原監督。
Jリーグの多くのチームと違って、福岡は試合を支配することを目的にプレーしていない。なぜなら、キーパーからのロングフィードやスローインを強引にゴールに結びつける、重量級の攻撃陣を擁しているからだ。
酒井、ウェリントン、城後という福岡自慢の3トップ、その中でもとりわけウェリントンは多少アバウトなボールでも背中で敵のプレッシャーを抑え込み、ボールを収めてシュートまで持って行く。
だから福岡の場合は、決定機をゴールに結びつけたというより、ゴールが決まったから、これは決定機なんだ、という印象になる。
このように崩さずにゴールを決める試合運びは、ナビスコカップを制した2008年の大分を彷彿とさせる。
ウェリントンは、日本人が2、3人でしている仕事をひとりでやってしまう。こういう選手がいるチームは強い。攻撃に人数をかける必要がなくなり、守備に人数を割くことができるからだ。
実際に彼らはリーグ戦42試合中13試合で1-0の勝利を飾っている。ウェリントンを軸としたダイナミックな攻撃で、少ないチャンスをモノにし、分厚い守備によって敵を封じ込めているのだ。
「攻撃の選手でも守備をしなければ使わない」
そう語る井原監督は、日本の指導者が陥りがちな「ポゼッションサッカー」に縛られていない。素材の特徴を最大限に生かした、勝利に直結する試合運びを浸透させた。
よくよく考えればC大阪戦の福岡は、一度しか決定機を創っていない。つまり、中村のゴールが唯一の決定機だった。
崩して勝つサッカーが、すべてではない――。
スコアは1-0ではなかったが、井原カラーが十二分に凝縮された90分だった。
取材・文:熊崎敬
酒井、ウェリントン、城後という福岡自慢の3トップ、その中でもとりわけウェリントンは多少アバウトなボールでも背中で敵のプレッシャーを抑え込み、ボールを収めてシュートまで持って行く。
だから福岡の場合は、決定機をゴールに結びつけたというより、ゴールが決まったから、これは決定機なんだ、という印象になる。
このように崩さずにゴールを決める試合運びは、ナビスコカップを制した2008年の大分を彷彿とさせる。
ウェリントンは、日本人が2、3人でしている仕事をひとりでやってしまう。こういう選手がいるチームは強い。攻撃に人数をかける必要がなくなり、守備に人数を割くことができるからだ。
実際に彼らはリーグ戦42試合中13試合で1-0の勝利を飾っている。ウェリントンを軸としたダイナミックな攻撃で、少ないチャンスをモノにし、分厚い守備によって敵を封じ込めているのだ。
「攻撃の選手でも守備をしなければ使わない」
そう語る井原監督は、日本の指導者が陥りがちな「ポゼッションサッカー」に縛られていない。素材の特徴を最大限に生かした、勝利に直結する試合運びを浸透させた。
よくよく考えればC大阪戦の福岡は、一度しか決定機を創っていない。つまり、中村のゴールが唯一の決定機だった。
崩して勝つサッカーが、すべてではない――。
スコアは1-0ではなかったが、井原カラーが十二分に凝縮された90分だった。
取材・文:熊崎敬