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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】5年ぶりJ1復帰の福岡 「サポーターの重低音」と「井原カラー」の勝利

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年12月07日

勝利に直結する試合運びを浸透させた井原監督。

前年16位のチームを、就任1年目で昇格に導いた井原監督。ワンチャンスをモノにしたこのC大阪戦は、まさに「井原カラー」が凝縮された勝利だった。 (C) SOCCER DIGEST

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 Jリーグの多くのチームと違って、福岡は試合を支配することを目的にプレーしていない。なぜなら、キーパーからのロングフィードやスローインを強引にゴールに結びつける、重量級の攻撃陣を擁しているからだ。
 
 酒井、ウェリントン、城後という福岡自慢の3トップ、その中でもとりわけウェリントンは多少アバウトなボールでも背中で敵のプレッシャーを抑え込み、ボールを収めてシュートまで持って行く。
 
 だから福岡の場合は、決定機をゴールに結びつけたというより、ゴールが決まったから、これは決定機なんだ、という印象になる。
 このように崩さずにゴールを決める試合運びは、ナビスコカップを制した2008年の大分を彷彿とさせる。
 
 ウェリントンは、日本人が2、3人でしている仕事をひとりでやってしまう。こういう選手がいるチームは強い。攻撃に人数をかける必要がなくなり、守備に人数を割くことができるからだ。
 
 実際に彼らはリーグ戦42試合中13試合で1-0の勝利を飾っている。ウェリントンを軸としたダイナミックな攻撃で、少ないチャンスをモノにし、分厚い守備によって敵を封じ込めているのだ。
 
「攻撃の選手でも守備をしなければ使わない」
 そう語る井原監督は、日本の指導者が陥りがちな「ポゼッションサッカー」に縛られていない。素材の特徴を最大限に生かした、勝利に直結する試合運びを浸透させた。
 
 よくよく考えればC大阪戦の福岡は、一度しか決定機を創っていない。つまり、中村のゴールが唯一の決定機だった。
 崩して勝つサッカーが、すべてではない――。
 スコアは1-0ではなかったが、井原カラーが十二分に凝縮された90分だった。
 
取材・文:熊崎敬
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