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【采配検証】ピッチ上に混乱を招いた森保監督のメモ。思いつきのシナリオで反撃を試みるも…偶発的な勝利など意味を成さない

カテゴリ:日本代表

加部 究

2023年03月29日

求められるのはブレずにテーマを追求する理詰めの采配

開始3分にヘディングで先制ゴールを挙げた三笘。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 前線からのプレッシングが機能しないと防戦一方になる展開は、W杯でのドイツ戦やスペイン戦の前半と瓜二つで、この後、森保監督は交代出場の浅野拓磨にメモを託してスクランブル態勢での反撃を試み、ピッチ上に混乱を招くのだった。

 森保監督の4年後へ向けての目標は「ゲームをコントロールして勝てる」チーム作りだと言う。確かにこれまで4度到達したW杯でのベスト16は、いずれも格上に挑んだ末に勝ち取ったもので、当然堅守を前提としていた。

 つまり森保監督は、中身も結果も未踏の領域を目ざすわけで、それは一朝一夕で手に入るものではない。だからこそSBが内側のポジションを取るなど、強みになるウインガーとの関係にバリエーションを増やし、強化を図ろうとした。

 実際、右サイドではSBの菅原が幅を取り、伊東純也がインナーに入る関係から速い攻撃を構築し、前半には西村の決定機に繋げた。また左サイドでも、バングーナガンデがインサイドから積極的に高い位置に進出し、三笘薫との連係も良化の可能性を見せた。
 
 今、この時期の指揮官に求められるのは、90分間を通してブレずにテーマを追求する理詰めの采配で、逆に構想も示していないスクランブルの末に手にする偶発的な勝利など意味を成さない。

 むしろ必要なのは内容に即した結果で、そのほうが有効な検証に繋がる。しかも勝敗の駆け引きで一日の長があったのは、明らかにコロンビアだった。前半に日本側のミスを突いて確実に同点とすると、後半開始から一気に攻守の強度を高めて試合を決めにかかった。そして最後は、個々が意思統一もなく即興で打開を図ろうとする日本の焦燥を誘いながら、しっかりと逃げ切った。

 欧州組が過半数を占める日本に、コンディション面での大きなアドバンテージはない。ただし、2戦を通じて、所属クラブやそれぞれの貢献度を考えても戦力的な見劣りはない。結局、違いが見えたとすれば、チーム作りと歴史になる。

 特に後半途中から思いつきのシナリオで遮二無二(しゃにむに)結果を追い求めた日本にとっては、非常に空しい結末になった。

取材・文●加部究(スポーツライター)

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