第2戦の合言葉は――「ジェソクのために」。
第2戦に向けて、キャプテンの遠藤は「脅威を与える攻撃ができれば、(2-0は)決して不可能な点差ではない。特に前半を上手く行く形で入れれば、十分逆転は可能だと思う」と前を向いた。
それは他の選手も同様だ。丹羽は第1戦を“前半”と表現し、“後半”に向けて意気込んだ。「前半(第1戦)が終わっただけ。2日間のハーフタイム(12月3日と4日)がある。その間に修正し、切り替えて後半(第2戦)になにをすべきかしっかり考えたい」。
第1戦の結果を分ける分岐点となったのは、間違いなくオ・ジェソクの退場だ。86分にオ・ジェソクが広島の清水を突き飛ばして一発退場。ひとり少なくなったG大阪は、そこから後手を踏む形で押し込まれ、広島の波状攻撃を受けた。退場劇がなければ、90+1分、90+6分の被弾はなかったかもしれない。
結果的に“戦犯”となったオ・ジェソクは、ミックスゾーン(取材エリア)に現われるも、足早に通路を歩いて立ち止まらず、まるで「喋りません」とばかりに口を手で押さえながら無言でその場を後にした。
チームメイトの悲痛を慮る丹羽は、「(オ・)ジェソクは闘っていたし、まったく責めるつもりはない。素晴らしいプレーをしていた」と擁護。そして「ジェソクのためにも優勝したい。ジェソクに『優勝したらクラブワールドカップがあるから、しっかり準備をしとけ』という話をした」と、いかにもディフェンスリーダーらしい男気を見せた。
オ・ジェソクの奮闘ぶりは誰もが認めるところ。気迫が凝縮されたファウルすれすれのスライディングは、そして勝ちたい気持ちを前面に押し出すその姿は、観ていて清々しさを覚えるほど。「ジェソクのために」は、第2戦の合言葉になりそうだ。