“土壇場力”や“瀬戸際力”はG大阪の代名詞。「優勝するには絶好のシチュエーション」(丹羽)。
劇的な散り様だった。チャンピオンシップ決勝第1戦、長沢のゴールで先制したG大阪は、広島に一度追いつかれながらも今野の一撃で再び突き放す。ところが、二度のリードを奪いながらも逃げ切れず、終了間際に勝ち越し弾を決められて敗れた。
まさに「逆転負け」の典型とも言える展開だ。なによりも重くのしかかるのは“2-3”のスコアだ。年間優勝のためには、5日の第2戦(@Eスタ)で最低2ゴールが必要になる。決して容易いミッションではない。だが、丹羽は言う。
「今日の試合で2点取れているのは事実。次の試合で(失点を)ゼロに抑えて、2-0で勝って優勝できる。今日2点取れたのはポジティブなこと。相手に3点取られたことは忘れて、(ガンバが)2点取れたことだけを頭に刻み込むぐらいの気持ちでいい」
1993年から2004年にかけて、これまで実施されたチャンピオンシップは9回。そこから浮かび上がるひとつの法則は、「第1戦に勝利したチームの優勝確率は100パーセント」。つまり、過去の結果から未来を予測すれば、「G大阪の“準優勝”確率は100パーセント」となる。
第1戦を勝利したチームが優位に試合を運べるのは当然で、どの角度から考えても、G大阪の苦しい立場は変わらない。しかし、長谷川体制のG大阪は、そんな苦境を幾度となく潜り抜けてきた。
昨季は降格圏に沈みながら、歴史的な快進撃を遂げて三冠を達成。今季もリーグ戦やACLで何度も劇的な勝利を挙げた。もともとチャンピオンシップに滑り込んだのも、リーグ最終節を終えてからだった。
“土壇場力”や“瀬戸際力”は、現在のG大阪の代名詞なのだ。追い込まれれば追い込まれるほど底力を発揮するチームであり、丹羽もこんな風に表現している。
「優勝するには絶好のシチュエーションになった。ここで優勝したらガンバ大阪の真の力を証明できる」