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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】チャンスは作れども実らず… 敗れし浦和と日本サッカーの共通課題

カテゴリ:連載・コラム

熊崎敬

2015年11月29日

ゴール前で頼りになる人材の育成に目を向けるべきだ。

浦和は多くのチャンスを逃した挙げ句、カウンターから藤春に決勝点を献上してしまう。拮抗した勝負で明暗を分けるのは、やはりチャンスを決めきる力だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 浦和が終盤に崩れることが多いのは、攻めながらゴールを決められず、心理的に追いつめられてしまうからだ。攻め勝つサッカーを目指しているため、我慢比べに弱い。それは日本代表にも通じる体質だろう。
 
 ストライカーがいないから、チャンスをたくさん創りたい――。
 こういう言葉を、いつからか指導者がよく口にするようになった。ザッケローニもそう言っていた。
 決定率が低いからチャンスをたくさん創って間に合わせるというのは、私も方向性として正しいと考えていた。だが最近、ちょっと違うのではないかと思い始めた。
 
 というのも、この試合の浦和がそうだったように、大勢のチャンスメーカーがたくさんのチャンスを創っても、チャンスメーカーでは最後にストライクできないからだ。
 
 日本サッカー界では長く、一芸に秀でたスペシャリストよりも、オールラウンダーの育成に力を注いできた。つまり勤勉で俊敏で巧い中盤タイプのタレントの力を押し出すことで、勝利を引き寄せようとしてきた。
 
 だが、若年層の代表チームはアジアを勝ち抜けなくなり、フル代表も苦戦を強いられている。日本の特徴を押し出す浦和もタイトルから遠ざかって久しい。
 
 ストライカーがいなければ、いくらチャンスを創っても決められない。生粋の守備者がいなければ、根競べに耐えられない。
 
 サッカーの勝敗はゴール数で決まる。この原点に立ち返って、ゴール前で頼りになる人材の育成に目を向けるべきだろう。
 
取材・文:熊崎 敬
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