待望のゴールが生まれたのは80分――。
後半に入ると川崎は、前半の接触プレーで負傷した小宮山に代え、田坂を左ウイングで起用。中野が左ウイングバックに、車屋が左ストッパーにそれぞれ移行した。一方の仙台は、交代カードを切らないまま同様の陣容で臨む。
川崎が再びボールを支配し、65分には中村のクロスから大久保が豪快なオーバーヘッドキックを見せると、66分には中野のドリブル突破からチャンスを創出。直後の67分にも大久保のジャンピングヒールキックでスタジアムが沸いた。いずれも得点には至らなかったが、川崎がじりじりと仙台ゴールに迫る。
待望のゴールが生またのは80分だった。
中央でボールを回して仙台のCB渡部を釣り出すと、森谷がすかさず右サイドに展開。田坂、エウシーニョとつなぎ、最後にボールを受けた大久保がエリア内で右足を一閃。強烈な弾道のシュートがゴール左上に突き刺さり、会場のボルテージは最高潮に達した。
そのまま1-0で逃げ切った川崎は年間6位(第2ステージ7位)、仙台は14位で(第2ステージ16位)でシーズンを終了。またこの日、今季23ゴール目を決めた大久保は「思い切り蹴って決められた。気持ち良かったです。得点王が懸かっていたのは、すごいプレッシャーだった」と語り、3年連続得点王に輝いてホーム最終戦に花を添えた。
取材・文:大木勇(サッカーダイジェスト編集部)