ゴール、そしてタイトル獲得という形で恩師の花道を飾る覚悟だ。
延長戦終了間際の120分、中盤で相手のパスミスを拾った工藤が素早く右サイドのクリスティアーノに展開すると、オーバーラップしてきた今井とのパス交換から右足を振り抜き、鮮やかに決勝弾を突き刺した。第2ステージ9節の前回対戦(△2-2)以降、引き出しに加えたカウンターが大事な場面で火を噴いた格好だが、なによりもチームが勝利のために一丸となっていたことが大きかったと工藤は振り返る。
「2点目は僕、クリス(クリスティアーノ)、メロ(今井)といろんな選手が絡んで、100パーセント以上の力を発揮したからこそ、あのゴールが生まれたと思う。ひとり少ないにもかかわらず、チームがひとつにまとまってプレーできていたし、しっかり自分たちのペースで自分たちのサッカーをして2点を獲れた」
10月28日に吉田監督の今季限りでの退任が発表され、アカデミー時代の教え子である工藤も「気持ちの整理がつかない」とさすがにショックを隠し切れなかった。それでも、プロの世界では「チームに永遠はなく、いつかは終わりや別れが来るもの」(吉田監督)。クラブが大きく舵を切って、バタついている状況だからこそ、選手たちは崩れちゃいけないと必死に気持ちを切り替えた。
最後はみんなで笑って終わりたい――。柏は甲府戦の勝利で12月26日に行なわれる準々決勝(仙台戦)進出を決め、約1か月は公式戦のピッチを見据えたチーム活動を続けられる権利を手にした。
「このメンバーでできる試合、練習の回数もカウントダウンに入っている。僕自身、他の選手よりも長く吉田監督とはやってきたし、一日でも長く選手と監督の関係を続けたい。チームはすごく良い雰囲気だし、ここまで来たらタイトルを獲らないと意味がないので、元日(の決勝)まで行って勝ちたい」
アカデミー時代にストライカーとしての礎を築き、プロへの道を切り開くきっかけを与えてくれた吉田監督のために――。柏のエースナンバー9を背負う男は、ゴール、そしてタイトル獲得という形で恩師の花道を飾る覚悟だ。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
「2点目は僕、クリス(クリスティアーノ)、メロ(今井)といろんな選手が絡んで、100パーセント以上の力を発揮したからこそ、あのゴールが生まれたと思う。ひとり少ないにもかかわらず、チームがひとつにまとまってプレーできていたし、しっかり自分たちのペースで自分たちのサッカーをして2点を獲れた」
10月28日に吉田監督の今季限りでの退任が発表され、アカデミー時代の教え子である工藤も「気持ちの整理がつかない」とさすがにショックを隠し切れなかった。それでも、プロの世界では「チームに永遠はなく、いつかは終わりや別れが来るもの」(吉田監督)。クラブが大きく舵を切って、バタついている状況だからこそ、選手たちは崩れちゃいけないと必死に気持ちを切り替えた。
最後はみんなで笑って終わりたい――。柏は甲府戦の勝利で12月26日に行なわれる準々決勝(仙台戦)進出を決め、約1か月は公式戦のピッチを見据えたチーム活動を続けられる権利を手にした。
「このメンバーでできる試合、練習の回数もカウントダウンに入っている。僕自身、他の選手よりも長く吉田監督とはやってきたし、一日でも長く選手と監督の関係を続けたい。チームはすごく良い雰囲気だし、ここまで来たらタイトルを獲らないと意味がないので、元日(の決勝)まで行って勝ちたい」
アカデミー時代にストライカーとしての礎を築き、プロへの道を切り開くきっかけを与えてくれた吉田監督のために――。柏のエースナンバー9を背負う男は、ゴール、そしてタイトル獲得という形で恩師の花道を飾る覚悟だ。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)