情熱はまだ燃え尽きていない
ことあるごとに選手を集めて話すわけでもなく、練習の締めで何か言うこともしない。練習中はグラウンドの周りを歩く平氏は、気になったことがあれば、最後に個別に声を掛けてアドバイスを送る。決勝前の前日練習でもそうだった。
その助言はプレー面に関する話も少なくないが、どちらか言えばサッカーと向き合う姿勢を含めたメンタル面の話が主だという。その理由とは?
「戦う姿勢を教えたかった。総じてみんな良い子で、戦うにあたって一人ひとりは力強いけど、チームとして勝てないのは、やっぱりまだ(心が)足りない。同じ方向性を見て、手を組んだら勝てるチームになるんじゃないかなと。そういう話は個別にもして、全体にもしたりしてねぇ」
平氏が挙げた課題は高原監督も感じていただけに、名伯楽の言葉がチームに与えた影響は大きい。赴任当初から「お前たちは強いんだぞ」と何度も声を掛け、決してそれはお世辞ではなく、選手たちに自信を持たせるように働きかけた。
そして、試合前にはモチベーションを上げる話をし、選手たちの力を最大限に引き出す。そうした働きかけは、今大会を勝ち上がるうえで大きな原動力になったという。
「試合前に良いイメージを持ちながら生徒に目をつむらせて、ファインプレーとかもしっかりイメージさせながら、『さあ行こう!』っていう形で送り出してくれる。本当にメンタル面はいろんな話をしてくれますね」(高原監督)
その助言はプレー面に関する話も少なくないが、どちらか言えばサッカーと向き合う姿勢を含めたメンタル面の話が主だという。その理由とは?
「戦う姿勢を教えたかった。総じてみんな良い子で、戦うにあたって一人ひとりは力強いけど、チームとして勝てないのは、やっぱりまだ(心が)足りない。同じ方向性を見て、手を組んだら勝てるチームになるんじゃないかなと。そういう話は個別にもして、全体にもしたりしてねぇ」
平氏が挙げた課題は高原監督も感じていただけに、名伯楽の言葉がチームに与えた影響は大きい。赴任当初から「お前たちは強いんだぞ」と何度も声を掛け、決してそれはお世辞ではなく、選手たちに自信を持たせるように働きかけた。
そして、試合前にはモチベーションを上げる話をし、選手たちの力を最大限に引き出す。そうした働きかけは、今大会を勝ち上がるうえで大きな原動力になったという。
「試合前に良いイメージを持ちながら生徒に目をつむらせて、ファインプレーとかもしっかりイメージさせながら、『さあ行こう!』っていう形で送り出してくれる。本当にメンタル面はいろんな話をしてくれますね」(高原監督)
そうした話は選手たちの胸にもしっかりと届いている。
「初めて会った時は怖い印象もあったけど、話してみると優しい(笑)。いろんな話をしてくれた」とMF木村匡吾(3年)が言えば、キャプテンのDF井上斗嵩(3年)も「いろんなことに気づかされた。自分では分からないことが多いけど、そういうところを平先生から言ってくれる。平先生の言葉で変わっていけましたね」と存在の大きさを明かす。
今大会も神村学園との準決勝前に雰囲気が緩み、いつもは統率の取れたアップをするが、この日はダラダラとしてしまうことがあった。そうした空気を変えたのも平氏で、赴任してから初めて子どもたちに雷を落としたという。
「今までは優しいおじちゃんだったんだけど、初めて怒った。響いてくれるか、立ち直ってくれるか。逆になんで俺らが怒られんといかんのかと思うかもしれない。でも、素直で『これではいけない』という顔にその場でなってくれたから大丈夫だと思えた」
時に優しく、時に厳しく。指導歴45年の経験によるサポートで、チームの初優勝に貢献した。平氏にとっても初めての日本一。「勝つ時はこんなもんなのかなぁ」とたわけたが、勝利の味は格別だったに違いない。
だが、平氏の挑戦は終わらない。「次の目標は今から決めます(笑)。これからじっくり決めます。早く日本一になり過ぎちゃったよね」と冗談を言いつつ、これからも子どもたちと向き合っていく。名伯楽の情熱はまだまだ燃え尽きていない。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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「初めて会った時は怖い印象もあったけど、話してみると優しい(笑)。いろんな話をしてくれた」とMF木村匡吾(3年)が言えば、キャプテンのDF井上斗嵩(3年)も「いろんなことに気づかされた。自分では分からないことが多いけど、そういうところを平先生から言ってくれる。平先生の言葉で変わっていけましたね」と存在の大きさを明かす。
今大会も神村学園との準決勝前に雰囲気が緩み、いつもは統率の取れたアップをするが、この日はダラダラとしてしまうことがあった。そうした空気を変えたのも平氏で、赴任してから初めて子どもたちに雷を落としたという。
「今までは優しいおじちゃんだったんだけど、初めて怒った。響いてくれるか、立ち直ってくれるか。逆になんで俺らが怒られんといかんのかと思うかもしれない。でも、素直で『これではいけない』という顔にその場でなってくれたから大丈夫だと思えた」
時に優しく、時に厳しく。指導歴45年の経験によるサポートで、チームの初優勝に貢献した。平氏にとっても初めての日本一。「勝つ時はこんなもんなのかなぁ」とたわけたが、勝利の味は格別だったに違いない。
だが、平氏の挑戦は終わらない。「次の目標は今から決めます(笑)。これからじっくり決めます。早く日本一になり過ぎちゃったよね」と冗談を言いつつ、これからも子どもたちと向き合っていく。名伯楽の情熱はまだまだ燃え尽きていない。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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