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準決勝前に“優しいおじちゃん”が初めて一喝。岡山学芸館の初優勝を下支えした名伯楽・平清孝「戦う姿勢を教えたかった」【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2023年01月10日

「高原が建てた城。俺は別の蔵から見る」

ゼネラルアドバイザーとして岡山学芸館の初優勝に貢献した平氏。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[高校選手権決勝] 岡山学芸館 3-1 東山/1月9日(月)/国立競技場

 試合終了のホイッスルが鳴ると、選手たちは天を仰いで国立の空を見上げた。歓喜に湧くなか、ベンチでは高原良明監督が涙腺を緩め、スタッフたちと熱い抱擁を交わす。その様子を嬉しそうにジッと見守る人がいた。今季からゼネラルアドバイザー(GA)に就任した平清孝氏だ。

 68歳の平氏は東海大福岡(旧・東海大五)で監督と総監督を務め、選手権に出場した回数は13度。1990年度にはベスト4に入るなど、九州を代表する指導者として活躍してきた。今季から磐田の監督に就任した元日本代表コーチの横内昭展氏や藤田直之(鳥栖)らが教え子におり、岡山学芸館でタッグを組んでいる高原監督も東海大五時代の愛弟子だ。高校サッカーを指導して45年。酸いも甘いも全部味わってきた。

 平氏が指導者に転じたのは1977年。日体大を卒業し、非常勤講師として東海大五に赴任した。翌年から正式に採用されたが、当時のサッカー部は強化が進んでおらず、グラウンドは土で草も生い茂り、石ころがそこらへんに転がっているような状態だった。

 それを平氏が選手と一緒になって整備。サッカー面でも一から技術を教え、少しずつ強化を進めていった。81年度にようやく選手権に初めて出場すると、徐々に選手が集まるように。90年度のベスト4を経て、その後もチームのために汗を流して、強化に努めていく。08年度に総監督に就任してからも変わらず、定年後もチームに残って指導にあたってきた。

 その中で転機が訪れる。45年の指導歴を一区切りとして、チームを離れる決断を下したのだ。長年尽力してきた名伯楽のもとには様々なオファーが届く。大学やJクラブからも話があったが、平氏が選んだのは教え子が率いる高体連のチームだった。
 
 きっかけは今後の報告をした時だ。「自分で一からのチーム作りはもう無理だなぁ」と考えていた時に、教え子から誘いを受ける。「先生、うちに来ませんか?」。高原監督からの申し出に応えるべく、夫人にも相談。「どうぞ」と快く送り出され、「月に2回帰ってくる」という平氏の考えにも「帰ってこなくていい。私がたまに行くから」とサポートを約束された。

 4月1日に単身岡山に渡ると、新たな環境で一から指導にあたるなか、実は総監督のポストを断っている。その理由を平氏はこう明かす。

「総監督という名前がつくと、もっと色々言わないといけなくなる。高原が建てた城なんだから、俺は別の蔵から見ていることにしたんだ」

 指揮官とは異なる立ち位置でチームに関わり、選手たちの取り組みを温かい目で見守ってきた。

【選手権決勝PHOTO】岡山学芸館3-1東山|木村匡吾が圧巻2発!岡山学芸館が、岡山県勢初の全国制覇!
 
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