――これまではドイツサイドからの視点でしたが、日本のパフォーマンスについてはいかがですか? とくに印象に残ったところは?
「試合全体的にみてまず言えるのは、60分過ぎまでのチームパフォーマンスにはがっかりさせられたというのはある。でもそこから終盤へのパフォーマンスは素晴らしかった。スピードのある選手を両サイドに配置して突破を図り、ドイツの選手間にあるスペースに入り込んで起点を作り、1-1になる前にもビックチャンスがあった。
日本はドイツの弱点を意識的に狙ってきていたという印象がある。ドイツの弱点は両サイドバックのポジション。1点目は外からうまく中に運ばれて崩されての失点。2点目も素早いFKからサイドを生かしての得点だった。もちろんドイツのミスがいくつも重なったという側面もある。ジューレ、シュロッターベック、ノイアーそれぞれにミスがあった」
「日本はドイツの弱点を意識的に狙ってきていたという印象がある」
――ドイツのメンタリティについてはどう思われますか? ここ最近の国際舞台で難しい試合や展開が続いています。強い時代のドイツというのは難しい状況でこそ、我慢強く、あきらめず、解決策を見出して、結果に結びつけるというのがあったと思いますが、1-2となったあとに同点へ持ち込む手段はほかにまったくなかったのでしょうか?
「2失点目を喫してからはそこまで時間がなかったというのは痛かった。(ユスファ)ムココと(ニクラス)フュルクルクという2人のフォワードを投入したのは理にかなっているし、空中戦でも武器になる二人だ。正直、吉田(麻也)が弱点になると思っていた。シャルケではかなり苦しんでいるし、そこを突いていければとチャンスは作れると思っていたのだが。
ただメンタリティに関してはいまでも優れていると思う。7選手がバイエルンでプレーしている。彼らはいつでも強靭なメンタリティで数々のタイトルを獲得している。ギュンドアンはマンチェスター・シティでキャプテンを務めているし、(カイ)ハベルツや(アントニオ)リューディガーだってチェルシーでチャンピオンズリーグに勝っている。
日本に負けたことでチームが追い込まれているのは確かだ。次のスペイン戦に勝たなければならない。引き分けでもグループリーグ敗退を意味する。スペインはドイツにとって苦手な相手だ。でも可能性はある。パフォーマンスのすべてが悪かったわけではない。日本戦で60分までのプレーを見たら、3-0で勝っていてもまったく不思議じゃなかった。スペインに勝利するチャンスはある。試合全てが悪かったわけではない。希望を持てるパフォーマンスだったのは間違いない」
取材・文●中野吉之伴
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