異国の地での経験が今の自分に繋がっている。
「代表に行って、手応えを得たのが大きかった。帰ってきてからは、自信を持ってできるようになってきたと思う。自分のプレースピードが上がったので、余裕を持ってプレーできている」
本人が振り返る通り、高校年代の試合では、ボールを受けても慌てる様子は滅多に見られない。高い位置でパスをもらえれば、ほとんどクロスやフィニッシュまで持ち込めている。代表活動を通じて、成功体験を重ねたからこそ自信を持って仕掛けられるようになったのは間違いない。
神村学園の有村圭一郎監督も吉永の成長に目を細める。
「どんどん仕掛けるし、前に出ていけば、やれるという自信もついてきた。上がっていくタイミングが良いので、止められないですよね」
「余裕を持ってプレーできている」
代表で深めた自信は確信に変わりつつある。昨年までは日の丸を背負った経験もなかったが、今では意識も変わった。「来年５月のU-17ワールドカップ予選は狙っているので、まずはメンバーにしっかり入って、結果を残したうえで11月の本大会で自分を出したい」と意気込み、「世界に自分の名前を売る」と言い切る。
守備の強度に課題はあるものの、攻撃力は全国でもトップクラス。プレミアリーグ参入を懸けたC大阪U-18との大一番はもちろん、年末に開幕する高校サッカー選手権を経て、さらなる進化を遂げる可能性は十分にある。
右肩上がりで成長を続ける注目SBはまさに今が旬。大迫、福田といった先輩が注目されるが、“吉永夢希”の名を覚えておいて損はない。
取材・文●松尾祐希（フリーライター）
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