今後の4年をどう歩んでいくか
でもこの流れ、どこかで見たことがある。それはまさに日本サッカーが辿ってきた道である。
例えば、2010年の南アフリカ・ワールドカップ。本田圭佑を頂点にした4-5-1で躍進した日本は、ラウンド16でパラグアイにPK戦の末に敗れ、2014年に向けてはアルベルト・ザッケローニ監督の下で「自分たちのサッカー」として主体的なスタイルを磨いてきた。しかし、本大会で惨敗を喫したのはご存知の通りである。
サッカーとは守備的、攻撃的と割り切れるものではないが、その間を行ったり来たりを繰り返しながら、個々の力を少しずつ伸ばし、国としてのサッカーの質を向上させていくものなのだろう。だからこそ、悲願のベスト8にはまたも届かなかったとはいえ、今回の経験も日本サッカーにとっては財産であり、冒頭の田中の言葉どおり、「経験を積み重ねて世界から見て強豪国になっていく」はずだ。
例えば、2010年の南アフリカ・ワールドカップ。本田圭佑を頂点にした4-5-1で躍進した日本は、ラウンド16でパラグアイにPK戦の末に敗れ、2014年に向けてはアルベルト・ザッケローニ監督の下で「自分たちのサッカー」として主体的なスタイルを磨いてきた。しかし、本大会で惨敗を喫したのはご存知の通りである。
サッカーとは守備的、攻撃的と割り切れるものではないが、その間を行ったり来たりを繰り返しながら、個々の力を少しずつ伸ばし、国としてのサッカーの質を向上させていくものなのだろう。だからこそ、悲願のベスト8にはまたも届かなかったとはいえ、今回の経験も日本サッカーにとっては財産であり、冒頭の田中の言葉どおり、「経験を積み重ねて世界から見て強豪国になっていく」はずだ。
大事なのは今後の4年の方向性をしっかり定めること。曖昧な表現ではなく、具体的に何を求め、どう強化するのか、指針作りが何より重要である。
そして“主体的なサッカー”に捉われすぎないことも大切なのだろう。
「難しいのは分かっていて、アジアではどうしても僕らが今大会やったようなサッカーを相手にされるので、一貫した戦い方をするのは難しい。ただ選べる状況に持っていくのは必要だなと思います。
コスタリカ戦ではなかなかチャンスを作れなかった。ポジショニングもそうだし、戦い方もそうだし、その場の即興でなくて、チームとしてちゃんとプランを持って、選択肢があるなかで、何をチョイスするか、そういう形にも持っていくべきなのかもしれません。
これしかできないとか、僕らはこれをやってきたので貫くというのも格好良いです。ただ、その時々でベストな戦い方を持っておくべきだとも思います。言葉にするのは難しいですが……。(アドリブ力で)強いチームもありますが、日本はそこにチャレンジして良いのかなと」
守田英正の言葉が今後の指針のヒントになるようにも映る。
個人的にはボールを握り、常に能動的に相手を崩す技術力に長けた、アイデア豊富なサッカーを見たい。それが日本人の気質に合っているように思う。
そのためには真の意味での“止める・蹴る”を磨き、ゲームをコントロールできる術をより身に付けるべきだろう。
ただ、“主体的なサッカー”にこだわりすぎてワールドカップで結果を残せなかった過去の例も糧にしたい。なにがなんでも“主体的に”こだわるのではなく、時と状況によって臨機応変に振る舞うことの重要性は今大会で学んだはずだ。
非常に難しいが、試合によって求められることをしっかり判断できる選手たちの思考力、そしてそれを理解する私たちの目も今後の4年間では試されているのだろう。
勝ったから良い、負けたから悪いではなく、今度こそワールドカップのベスト8に辿り着くために、一戦一戦に目的を持って取り組む必要があるはずだ。そこれでこそ、守れる自信がついた今大会の経験を真に生かせるということなのだと感じる。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)
そして“主体的なサッカー”に捉われすぎないことも大切なのだろう。
「難しいのは分かっていて、アジアではどうしても僕らが今大会やったようなサッカーを相手にされるので、一貫した戦い方をするのは難しい。ただ選べる状況に持っていくのは必要だなと思います。
コスタリカ戦ではなかなかチャンスを作れなかった。ポジショニングもそうだし、戦い方もそうだし、その場の即興でなくて、チームとしてちゃんとプランを持って、選択肢があるなかで、何をチョイスするか、そういう形にも持っていくべきなのかもしれません。
これしかできないとか、僕らはこれをやってきたので貫くというのも格好良いです。ただ、その時々でベストな戦い方を持っておくべきだとも思います。言葉にするのは難しいですが……。(アドリブ力で)強いチームもありますが、日本はそこにチャレンジして良いのかなと」
守田英正の言葉が今後の指針のヒントになるようにも映る。
個人的にはボールを握り、常に能動的に相手を崩す技術力に長けた、アイデア豊富なサッカーを見たい。それが日本人の気質に合っているように思う。
そのためには真の意味での“止める・蹴る”を磨き、ゲームをコントロールできる術をより身に付けるべきだろう。
ただ、“主体的なサッカー”にこだわりすぎてワールドカップで結果を残せなかった過去の例も糧にしたい。なにがなんでも“主体的に”こだわるのではなく、時と状況によって臨機応変に振る舞うことの重要性は今大会で学んだはずだ。
非常に難しいが、試合によって求められることをしっかり判断できる選手たちの思考力、そしてそれを理解する私たちの目も今後の4年間では試されているのだろう。
勝ったから良い、負けたから悪いではなく、今度こそワールドカップのベスト8に辿り着くために、一戦一戦に目的を持って取り組む必要があるはずだ。そこれでこそ、守れる自信がついた今大会の経験を真に生かせるということなのだと感じる。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)