個々のレベルアップが最重要テーマ
森保一監督は東京五輪世代の野心と伸びしろに賭けて、大迫勇也(神戸)や原口元気(U・ベルリン)を外して今大会に挑んだ。しかも本番突入後は、指揮官が4年間、絶大な信頼を寄せてきた柴崎岳(レガネス)さえも使わず、若い力にチームを託した。
その成果もあって、堂安がドイツ戦、スペイン戦で値千金のゴールを奪い、三笘や田中がグループ突破の原動力になった。彼らの爆発がなければ、ラウンド16まで来ることもできなかったかもしれない。そこは確かに評価して良い部分だ。
しかしながら、8強を賭けた最大の山場だったクロアチア戦で思うような結果を出せなかった。前田が先制点を奪ったところまでは理想的な展開だったが、期待の冨安、堂安、三笘が不発。出場停止の板倉滉(ボルシアMG)と、体調不良の久保建英(R・ソシエダ)はピッチに立つことさえも叶わなかった。
肝心なところで日本をけん引できなかったというのは事実だし、力不足だったのは認めなければいけない。これを糧に前進していくことが、彼らに託される使命なのだ。
「世界との距離は縮まっているとは思うけど、それは日本だけではない。自分たちが縮まっていると思える部分もあれば、他のアフリカやアジアの国も縮まっている。結局、ベスト8以上に届くまでの距離はまだあったのかなと。この経験は一生忘れることはないし、4年後、あの経験があったから勝てたな、と言えるようにしなくちゃいけない」という田中の発言が、今の日本の置かれた実情なのだろう。
その成果もあって、堂安がドイツ戦、スペイン戦で値千金のゴールを奪い、三笘や田中がグループ突破の原動力になった。彼らの爆発がなければ、ラウンド16まで来ることもできなかったかもしれない。そこは確かに評価して良い部分だ。
しかしながら、8強を賭けた最大の山場だったクロアチア戦で思うような結果を出せなかった。前田が先制点を奪ったところまでは理想的な展開だったが、期待の冨安、堂安、三笘が不発。出場停止の板倉滉(ボルシアMG)と、体調不良の久保建英(R・ソシエダ)はピッチに立つことさえも叶わなかった。
肝心なところで日本をけん引できなかったというのは事実だし、力不足だったのは認めなければいけない。これを糧に前進していくことが、彼らに託される使命なのだ。
「世界との距離は縮まっているとは思うけど、それは日本だけではない。自分たちが縮まっていると思える部分もあれば、他のアフリカやアジアの国も縮まっている。結局、ベスト8以上に届くまでの距離はまだあったのかなと。この経験は一生忘れることはないし、4年後、あの経験があったから勝てたな、と言えるようにしなくちゃいけない」という田中の発言が、今の日本の置かれた実情なのだろう。
彼らの世代が中心となる今後は、個々のレベルをより引き上げていくことが最重要テーマだ。「大国は全員がチャンピオンズリーグ上位にいけるようなクラブでプレーしている」と鎌田大地(フランクフルト)も口癖のように言う。そういう環境でエース級に君臨する選手が何人も出てこなければ、クロアチアやイングランドといった8強進出国には太刀打ちできないということになる。
東京五輪世代の中では冨安がその突破口を開いたが、彼も怪我続きでフル稼働できていない。そういった停滞感を打破し、実績を積み上げることでしか明るい未来は開けてこない。
長友が「史上最強」と断言した森保ジャパンの若い面々が確実に飛躍し、自信を持って堂々と2026年の北中米W杯に挑んでこそ、5度目の挑戦が結実するはず。その時までは、まだ長いが、長友や吉田らのマインドを引き継ぐ彼らには勇敢に前に進んでほしい。そうしてこそ、今回の悔しいPK負けに意味が出てくるはずだ。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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取材・文●元川悦子(フリーライター)
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