「残念だが、これ以上の問題を避けるためにカスティージョは外れるだろう」
おかしなことに、CASは身分証明書の申告に過ちがあったことに関しては、エクアドルに処罰は与える。2026年南米予選で3ポイントマイナスからのスタートと10万スイスフラン(約1500万円)の罰金。彼らはこの金でW杯行きの切符を買ったようなものだ。そしてまさにそのエクアドルが11月20日、カタールと共に開幕戦を飾るのだ。
しかし、そこには当事者のバイロン・カスティージョはいない。これまでチームの主力だったにもかかわらず、彼はW杯の登録メンバー26人には選ばれなかった。その理由は「怪我」。イランとの親善試合で負傷したのだという。
ただ、それが本当の理由なのかは疑問が残る。代表メンバーが決まる前に、在カタールのエクアドル大使がかなりは正直なことを言ってしまっている。
「残念だが、これ以上の問題を避けるためにカスティージョは外れるだろう」
しかし、そこには当事者のバイロン・カスティージョはいない。これまでチームの主力だったにもかかわらず、彼はW杯の登録メンバー26人には選ばれなかった。その理由は「怪我」。イランとの親善試合で負傷したのだという。
ただ、それが本当の理由なのかは疑問が残る。代表メンバーが決まる前に、在カタールのエクアドル大使がかなりは正直なことを言ってしまっている。
「残念だが、これ以上の問題を避けるためにカスティージョは外れるだろう」
エクアドルはこれ以上のいざこざは避けたい。もしW杯で対戦するほかのチームも、カスティージョはプレーすべきでないと訴え出したら……。チリの弁護士たちも判決には納得できず、彼らは別な証拠も持っていて、これを見ればCASも考えを変えるだろうと言っている。
また南米サッカー連盟(CONMEBOL)とFIFAの幹部からも内々にエクアドルに「アドバイス」があった。バイロン・カスティージョはカタールに連れて行かないほうが「望ましい」と。
選手と連盟は罰せられるが、チームはW杯に出場する。どうにも不思議な裁定となってしまった。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
また南米サッカー連盟(CONMEBOL)とFIFAの幹部からも内々にエクアドルに「アドバイス」があった。バイロン・カスティージョはカタールに連れて行かないほうが「望ましい」と。
選手と連盟は罰せられるが、チームはW杯に出場する。どうにも不思議な裁定となってしまった。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。