• トップ
  • ニュース一覧
  • なぜ国籍詐称疑惑のエクアドル代表DFはW杯メンバーから落選したのか。表向きは「怪我」が理由だが…【現地発】

なぜ国籍詐称疑惑のエクアドル代表DFはW杯メンバーから落選したのか。表向きは「怪我」が理由だが…【現地発】

カテゴリ:国際大会

リカルド・セティオン

2022年11月19日

「残念だが、これ以上の問題を避けるためにカスティージョは外れるだろう」

 おかしなことに、CASは身分証明書の申告に過ちがあったことに関しては、エクアドルに処罰は与える。2026年南米予選で3ポイントマイナスからのスタートと10万スイスフラン(約1500万円)の罰金。彼らはこの金でW杯行きの切符を買ったようなものだ。そしてまさにそのエクアドルが11月20日、カタールと共に開幕戦を飾るのだ。

 しかし、そこには当事者のバイロン・カスティージョはいない。これまでチームの主力だったにもかかわらず、彼はW杯の登録メンバー26人には選ばれなかった。その理由は「怪我」。イランとの親善試合で負傷したのだという。

 ただ、それが本当の理由なのかは疑問が残る。代表メンバーが決まる前に、在カタールのエクアドル大使がかなりは正直なことを言ってしまっている。

「残念だが、これ以上の問題を避けるためにカスティージョは外れるだろう」
 
 エクアドルはこれ以上のいざこざは避けたい。もしW杯で対戦するほかのチームも、カスティージョはプレーすべきでないと訴え出したら……。チリの弁護士たちも判決には納得できず、彼らは別な証拠も持っていて、これを見ればCASも考えを変えるだろうと言っている。

 また南米サッカー連盟(CONMEBOL)とFIFAの幹部からも内々にエクアドルに「アドバイス」があった。バイロン・カスティージョはカタールに連れて行かないほうが「望ましい」と。

 選手と連盟は罰せられるが、チームはW杯に出場する。どうにも不思議な裁定となってしまった。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
【関連記事】
「力になれていない」闘莉王がカナダ戦で衝撃の“2.5点”と酷評した日本代表戦士は? 「W杯本戦で使うのは難しい」と指弾したのは…
「なんと馬鹿げたPKだ」「もう彼を出場させるな」日本戦で決勝ゴールのカナダ代表FWに母国ファンからまさかの批判殺到!
W杯開幕直前にイランとチュニジアを襲う出場取り消しの可能性。その舞台裏に迫る。代替候補には強豪国の名前も?
「三笘さんを最初から起用するとタケの使い方が難しくなる」本田圭佑が考える日本代表のアタッカー4枚は?「トップは…」
「どこでボールを奪うの? 全く連動性がない」城彰二がカナダ戦の森保ジャパンをバッサリ!「全然よくなかった」と指摘した選手は?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ