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【日本代表 26の肖像|久保建英】「人は3か月もあれば変われる」。有言実行で立場を変えた21歳レフティ。歴史的リベンジの急先鋒に

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年11月14日

ガーナ戦で待望の代表初ゴール

今季はR・ソシエダで好調を維持。W杯本大会での活躍に期待が高まる。(C)Getty Images

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 久保自身が最大のチャンスと捉えたのは、2021年9月の最終予選・中国戦。この一戦では確かに効果的なプレーを披露。ようやくスタメン奪取かと思われた。

 その矢先に当時所属のマジョルカで負傷。長期離脱を強いられてしまう。その影響は大きく、予選終盤も後半から送り出されるだけ。確固たる地位は築けなかった。

 加えて、想像以上にゴールが遠かった。A代表入りした時点では、金田喜稔の持つ19歳119日というA代表最年少ゴール記録更新も時間の問題と言われ、「いつまでも言われ続けるのもあれなんで、早いうちに決められれば、それで終わりなのかな」と本人も淡々と語っていた。が、20年、21年が過ぎ、22年に突入しても無得点が続いた。

 長いトンネルをようやく抜け出したのが、今年6月のガーナ戦。4-1で勝利したゲームで、チーム3点目をゲット。「このまま一生入らないんじゃないかと思った時もありました」と久保は安堵感を吐露。肩の荷を下ろし、ようやく自分らしさを取り戻す。

 そこからの急浮上は冒頭の通りだが、この4年間の予期せぬ停滞と紆余曲折は、むしろ久保の成長の糧になったのではないか。「バルサ育ちの天才少年」と言えども、A代表はそう簡単に出られる場所ではない。

 W杯に至ってはなおさらだ。スペイン1部でレアル・マドリーからマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェに4度のレンタルを強いられ、トップ・オブ・トップに駆け上がる難しさを痛感し、フィジカル強化など努力を続けたからこそ、今がある。
 
 もがき苦しんだ日々は確実に力になっているはず。それをカタールの大舞台で示すしかない。

 とりわけ、グループステージ3戦目で対戦するスペインには、エリック・ガルシア(バルセロナ)ら少年時代から熟知する面々が数多くいる。ペドリやガビ(ともにバルセロナ)は年下だ。

 そういったタレントたちに負けてはいられない。東京五輪の準決勝で敗れ、号泣した悔しさを胸に秘め、歴史的リベンジの急先鋒になってほしいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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