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ネイマールの“改心”と若手の台頭で盤石なブラジル代表が抱える「世界一贅沢な問題」。G・ジェズスでさえW杯落選の可能性も…【現地発】

カテゴリ:国際大会

リカルド・セティオン

2022年11月07日

ブラジルはネイマール依存症をやめた

9月シリーズでは招集外となったアーセナルのG・ジェズス(右端)。(C)Getty Images

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 もう一つの大きな要因はネイマールの変化だ。もう以前の彼とは違う。もう誰とも争わないし、ピッチを大袈裟に転げまわったりもしない。かつての問題児の姿はここにはない。

 これは先に述べた若手の台頭にも関係ある。ブラジルはネイマール依存症をやめた。これまで彼の肩にはサッカーが宗教のようなブラジルという国がずっしりとのしかかっていた。悪い結果を出せば、それはすべてネイマールのせいだった。

 しかし今は違う。もちろん彼がチームを動かし、リーダーであることは変わらない。しかし今は多くの優秀な選手たちがいて重荷を分けて支えてくれる。たとえネイマールが調子が悪くとも、誰かがフォローしてくれる。彼はやっと自由にプレーできるようになったのだ。

 またこの夏のパリ・サンジェルマンでの出来事も大きな転機だった。キリアン・エムバペ体制に舵を切ったチームでは、ネイマールはいつまでも王様ではいられない。プレー続けるには真面目に練習し、チームの力になることを証明しなければならず、昨シーズンまでのように怪我で休んでばかりいたら、置き去られる可能性もある。
 
 こうしてネイマールはプレシーズンから真面目に練習に励み、その結果、加入後最高のパフォーマンスを見せている。ついに心を落ち着け、本来の実力を発揮できるようになった。これはブラジルにとって大きな、そして明るいニュースだ。

 いま、チッチ監督は“世界一贅沢な問題”を抱えている。あまりにも優秀な選手が多すぎていったい誰をカタールに連れて行ったらいいか、悩ましいのだ。各国の代表チームはまず55人の代表候補リストをFIFAに提出した。これに、本当にW杯で戦える選手を55人書けるのは、ブラジルだけとも言われている。つまり少なくとも4つの代表チームを作れるほど豊富な人材を抱えているのだ。

 ただ、カタールに行けるのは26人のみだ。チッチは本当に頭が痛いことだろう。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
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