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なぜ久保建英はソシエダ指揮官から“全幅の信頼”を得られたのか。 番記者が見解「バイオリニストのようなプレーを見せた数秒後に…」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

ミケル・レカルデ

2022年10月09日

相手に削られても、闘争心を燃やしながら才能を披露

ここまで全10試合に出場して2ゴール・3アシスト。ポテンシャルを十分に発揮している。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 指揮官は、グループ首位キープを目指してベストメンバーでこのアウェーのシェリフ戦に臨んだ。タケはアレクサンデル・セルロトと2トップを形成。ここ数試合と同様に左サイドでプレーしたが、 体格の大きい相手に引かれてスペースを埋められ、ピッチ上に自分の居場所を見つけるのに苦労した。

 しかも味方がロングパスを多用したことで、ボールをキープできても難しい状況であることがほとんどで、なかなか相手に脅威を与えるプレーを繰り出せなかった。しかし33分、右足でゴール前にクロスを供給。気持ちが先走ったブライス・メンデスが枠を捉えることができなかったが、痺れを切らしてこの日、初めて右サイドに顔を出したプレーで前半最大のチャンスを演出した。

【動画】「前半最大のチャンスを演出」とソシエダ番記者が賞賛!ELシェリフ戦、久保建英の決定機創出シーンをチェック
 さらにその数分後、前線にパスを繰り出すも相手GKにキャッチされると、全速力で自陣に戻り、ボールを持って攻め上がった相手の左SBにアプローチ。カウンター攻撃の芽を摘んだ。バイオリニストのようなプレーを見せたと思ったら、数秒後には一介の歩兵になってハードワークを見せる。こうした並外れた競争心が、アルグアシル監督がタケを評価する所以でもある。

 後半、ソシエダが実行しなければならないことは明確だった。流動的なポジションチェンジを織り交ぜつつ、ボールを保持して、強固に固められたシェリフの守備の綻びを作ることだった。

 53分の、タケも2度にわたってライン間に顔を出して関与した美しいパスワークがまさにその理想形で、最後はダビド・シルバがゴール左上に叩き込んだ。さらにその9分後にもソシエダはアリツ・エルストンドのゴールで加点。その後、アルグアシル監督は週末のビジャレアル戦を見据えて、次々に選手交代を行なった。

 最終的には、攻撃陣の中ではタケだけが90分間プレー。相手に削られても、闘争心を燃やしながら才能を披露し、唯一の“ガラクティコ(銀河系選手)”としてもしもの事態に備えて託された役割を全うした。

文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸

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