ラームの後継者探しとCBの強化、前線の守備の向上も課題だ。

ブラジルW杯からどれだけ新陳代謝を進められるかが、ドイツ代表の今後の長き繁栄の鍵を握る。ヘクターのような新戦力が、来夏までにどれだけ台頭してくるだろうか。 (C) Getty Images
一方、守備に関しても不安を抱えている。解決の目途が立っていないのが、クローゼと同時期に引退したフィリップ・ラームの後継者問題だ。
ヨアヒム・レーブ監督は右SBに、セバスティアン・ルディ、アントニオ・リュディガー、エムレ・ジャンといったマルチロールを代わる代わる起用し、ここ最近はマティアス・ギンターを重用しているが、いずれも偉大な前任者と比べると、攻守両面で見劣りする感が否めない。
対照的に今予選中に頭角を現わした選手を挙げれば、ヨナス・ヘクターだ。ブラジルW杯では本職がCBのベネディクト・ヘーベデスが務めていた左SBのレギュラーに定着し、攻守に如才のないプレーを披露している。
戦術的なセンスも兼ね備えるこのレフティーは、ブラジルW杯以降のチームにおける明らかな上積みであり、本大会で一気に名を上げうるブレイク候補だ。
直近のジョージア戦でも好守を連発した守護神、マヌエル・ノイアーの存在が頼もしい守備ブロックの中央部に目を向ければ、マッツ・フンメルスとジェローム・ボアテングがレギュラーというCBに一抹の不安がある。
9節のアイルランド戦では、相手GKからのロングフィード一本で裏を取られて、痛恨の決勝ゴールを献上した。とくにフンメルスは、ドルトムントでもロングボール対応を誤り、失点に直結するミスを犯してもいる。
フンメルス自身の修正はもちろん、相手に良い状態でロングパスを蹴らせないための、前線での効果的なプレスの再徹底も求められるところだ。
文:遠藤孝輔
ヨアヒム・レーブ監督は右SBに、セバスティアン・ルディ、アントニオ・リュディガー、エムレ・ジャンといったマルチロールを代わる代わる起用し、ここ最近はマティアス・ギンターを重用しているが、いずれも偉大な前任者と比べると、攻守両面で見劣りする感が否めない。
対照的に今予選中に頭角を現わした選手を挙げれば、ヨナス・ヘクターだ。ブラジルW杯では本職がCBのベネディクト・ヘーベデスが務めていた左SBのレギュラーに定着し、攻守に如才のないプレーを披露している。
戦術的なセンスも兼ね備えるこのレフティーは、ブラジルW杯以降のチームにおける明らかな上積みであり、本大会で一気に名を上げうるブレイク候補だ。
直近のジョージア戦でも好守を連発した守護神、マヌエル・ノイアーの存在が頼もしい守備ブロックの中央部に目を向ければ、マッツ・フンメルスとジェローム・ボアテングがレギュラーというCBに一抹の不安がある。
9節のアイルランド戦では、相手GKからのロングフィード一本で裏を取られて、痛恨の決勝ゴールを献上した。とくにフンメルスは、ドルトムントでもロングボール対応を誤り、失点に直結するミスを犯してもいる。
フンメルス自身の修正はもちろん、相手に良い状態でロングパスを蹴らせないための、前線での効果的なプレスの再徹底も求められるところだ。
文:遠藤孝輔

世界を魅了するタレントと組織力を擁する一方で、数々の問題を内包するドイツ代表。後者をどれだけ減らせるかで、96年大会以来、通算4度目となる欧州制覇の可能性の程は変わってくる。84年にはスペインとの最終戦で終了間際に失点を喫し、グループリーグ敗退の憂き目に遭ったフランスの地で、来夏はいかなる結果を手にするだろうか。 (C) Getty Images