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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第18回】「キノ、 守備は任せるよ」セルビア代表ストイコビッチ監督からの信頼に応え、ネーションズリーグでリーグA初昇格!

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年09月30日

ハーランドにやられそうになりましたが…

ネーションズリーグでのリーグA初昇格を決め、胴上げされるストイコビッチ監督。歓喜のワンショットだ。

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 個の能力が高いセルビア代表の数少ないウイークポイントは「ロングボール対策」。スウェーデン戦までの5日間では地元クラブとの練習試合も交えつつ、毎日、VTRを使用しながら距離感やサポートの仕方などタクティックス(戦術)を落とし込みました。

 スウェーデン戦の1失点はワイドに張った中盤と最終ラインの微細な関係性構築まで行き届かなかったのが原因で、分かっているからこそ次のノルウェー戦では改善に成功。開始30秒ほどでノルウェー代表のFWアーリング・ハーランドにやられそうになりましたが、それ以降はピンチなく、安定した守備ができました。

「キノ(喜熨斗コーチの愛称)、守備は任せるよ」と言ってくれたミスターの信頼に応えることができてホッとしました。試合後は名古屋でのリーグ優勝(2010年)以来となるミスターの胴上げセレブレーションが行なわれましたが、人生で2回もミスターを宙に舞わせた日本人は私だけだと思います(笑)。
 

セルビア代表のストイコビッチ監督(写真左)は、喜熨斗コーチ(写真右)に「守備は任せるよ」と信頼を寄せている。

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 一見するとワールドカップへの準備ではないように映るかもしれません。でも私が21年3月にセルビア代表コーチに就任して1年7か月。やるべきことはクリアしてきたし、得るべき結果を得てきた自負があります。

 例えばノルウェー戦の1点目はリスクマネジメントができたビルドアップから奪ったもの。2点目は高い位置で相手を挟み込んでボール奪取し、速攻につなげたものでした。守備の構築と、守備から攻撃へ移るポジティブ・トランジションはずっと取り組んできたこと。その狙いがすべて出せました。

 今回のカタール・ワールドカップは準備期間が少ない大会。ましてや欧州国はネーションズリーグが組まれているため、他大陸との『仮想〇〇』はできません。もちろん、今後は分析専門コーチを中心にブラジルやカメルーンの分析は進めていくつもりですが、相手対策に多くの時間を費やす以上に自分たちにフォーカスすることが大事だと考えています。それこそが本大会で良い結果を残す最短の近道だ、と。
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