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ピンチを招いた古橋と南野の“相性の悪い”配置。森保Jは最終ライン3枚回しに対するプレッシングを改善すべき

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2022年09月28日

大迫のようなポスト役と南野の組み合わせなら分かるが…

左サイドハーフで先発した三笘。周囲との連係が合わず、背後のスペースを狙われる場面も。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 エクアドル戦はそうした守備面だけでなく、攻撃も苦戦した。高い位置でボールを奪えないので、ショートカウンターは期待しづらい。40分に迂闊(うかつ)なキープをした相手DFからボールを奪い、古橋が決定機を迎えたが、この手のアクシデントは1試合に1回あるかないかだ。

 そうなると、自陣からビルドアップして攻めるしかない。サイドからは多少運ぶことができたが、真ん中のコンビネーションは絶望的だった。

 古橋は得意の裏抜けを何度も狙った。普段はほとんどボールが出てこないが、この試合はわりと出たほうだ。谷口彰悟、柴崎岳、田中碧、山根視来といった選手から、いくつかのトライがあった。しかし、ロングボールもスルーパスも、ほぼ通らず。手前でことごとく回収されてしまった。

 ただし、エクアドルは背後への対応が固いぶん、その手前にスペースは空きがち。日本は南野がライン間で縦パスの受け手になった。ところが、相手の鋭いプレスに遭い、ボールキープがままならない。

 鎌田大地か、あるいはライン間に下がって受けるのが巧みな大迫勇也なら、こうしたスペースを生かしたはずだが、南野はスペースの大きさを生かしきれない。むしろ狭いほうが輝くタイプなので、田中をアンカーに残して柴崎がライン間へ潜るなど、南野との距離が近い選手を作り、プレーすべきだった。
 
 1トップとトップ下における、古橋と南野の相性はかなり悪い。裏抜け1トップと、密を好むトップ下では、お互いの良さを消し合ってしまう。なぜこの配置になったのか、正直、理解に苦しむ。

 古橋と鎌田か、あるいは大迫のようなポスト役(今回は上田綺世や町野修斗)と南野の組み合わせなら分かるが…。もし、この起用法で古橋や南野に失格の烙印が押されるのなら、最初から起用しないほうがいい。今はもう模索するような段階でもない。

 今回はドイツ戦やスペイン戦を念頭に、守備に力点が置かれたので、攻撃の連係はある程度、割り切ったのかもしれない。だが、それにしては守備も連係不足だ。

 アメリカ戦の後半もそうだが、3枚回しに対しては、ハイプレスを諦めて下がる以外の対策がない。前の試合で見られた課題を修正できなかったのは、大いに不満だ。メンバーを大幅に入れ替えたのが原因だとすれば、その判断そのものに疑問が残る。

 こういう試合を見た後では、仮に本番でドイツやスペインを相手に0-1の僅差で敗れたとしても、惜敗とは思わないだろう。むしろ必然。この試合戦略では、良くて0-0だからだ。

 あとは11月のW杯本番直前の10日程度で何を準備するか。3枚回しに対するプレッシングの改善と、その配置に伴う攻撃法の確立は大きな課題だ。

文●清水英斗(サッカーライター)

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