マラドーナとオランダ人の対決が大きな魅力を振りまいた時代。
このシーズンの2年後、ナポリが2度目のイタリア王者となった89-90シーズンも、両チームは2強として対峙した。
雌雄を決する直接対決では、7節にナポリがアンドレア・カルネバーレ、マラドーナのゴールで3-0と完勝したが、24節にはホームのミランがダニエレ・マッサーロ、パオロ・マルディーニ、ファン・バステンのゴールで3-0と雪辱を果たしている。
このイタリア・ワールドカップ前のシーズン、優勝したナポリとミランの勝点差はわずか2(当時の勝利勝点は2)であり、文字通りデッドヒートを展開したが、ナポリが疑惑の判定で1勝を得ていたこともあり、両チームにとっても少しばかり後味の悪いものとなってしまった。
こうして、マラドーナがナポリに在籍した90-91シーズンまで、ミランとのカードはセリエA屈指(欧州屈指でもあった)の好カードだった。
88-89シーズンからはミランにフランク・ライカールトが加わって最強オランダトリオを形成、これに対してナポリは、ブラジル代表MFアレモンを獲得して強力南米トリオで対抗、試合は常に、スペクタクルに満ちたものとなった(ピッチ内外でエキサイトしすぎるケースも多々あったが)。
マラドーナとオランダ勢による魅惑の対決が展開された期間のなかで、ミランはスクデット1回、チャンピオンズ・リーグ優勝2回(トヨタカップ優勝も2回)、一方のナポリはスクデット2回、UEFAカップ(現ヨーロッパカップ)優勝1回を成し遂げている。まさに、欧州最高レベルの対決だったというわけだ。
マラドーナが84-85シーズンにバルセロナから加入して以降、ナポリは飛躍的に力を上げ、その2年後にはユベントスに競り勝ってスクデットを獲得。そして87年からはミランと世界屈指のスーパースターを擁するチーム同士、魅力溢れる戦いを展開してきた。
しかしこの黄金カードも、90-91シーズンにマラドーナがコカイン服用の罪でピッチを強制的に追われたことで、突然にして消滅した。以降も両チームの対決は実現したものの、ジャンフランコ・ゾーラがいかに奮闘してもナポリは以前の力と輝きを取り戻せず、クラブも弱体化して戦力を失い、ついにはセリエB降格で対峙すらなくなった。
そして今、ナポリは生まれ変わり、欧州の舞台でも活躍できる力を身につけてきたが、逆にミランが長い栄光時代の終わりを迎え、アジアマネーを味方につけた今シーズンも、まだ光明を見出すことができないでいる。
両チームの対峙が、かつてのようなカルチョを代表する黄金カードに戻ることは、この先あるのだろうか。あのスペクタクルに満ちた記憶はいつまでも色褪せることなく、時だけが過ぎていく。
◇マラドーナとオランダ勢在籍時の対戦全成績
1987-88・13節
ミラン 4-1 ナポリ
得点:ミ=コロンボ、ヴィルディス、フリット、ドナドーニ ナ=カレッカ
1987-88・28節
ナポリ 2-3 ミラン
得点:ナ=マラドーナ、カレッカ ミ=ヴィルディス(2点)、ファン・バステン
1988-89・7節
ナポリ 4-1 ミラン
得点:ナ=マラドーナ、カレッカ(2点)、フランチーニ ミ=ヴィルディス
1988-89・24節
ミラン 0-0 ナポリ
1989-90・7節
ナポリ 3-0 ミラン
得点:カルネバーレ(2点)、マラドーナ
1989-90・24節
ミラン 3-0 ナポリ
得点:マッサーロ、マルディーニ、ファン・バステン
1990-91・6節
ナポリ 1-1 ミラン
得点:ナ=マラドーナ ミ=フリット
1990-91・23節
ミラン 4-1 ナポリ
得点:ミ=オウンゴール、フリット、ライカールト、ドナドーニ ナ=インコッチャーティ
雌雄を決する直接対決では、7節にナポリがアンドレア・カルネバーレ、マラドーナのゴールで3-0と完勝したが、24節にはホームのミランがダニエレ・マッサーロ、パオロ・マルディーニ、ファン・バステンのゴールで3-0と雪辱を果たしている。
このイタリア・ワールドカップ前のシーズン、優勝したナポリとミランの勝点差はわずか2(当時の勝利勝点は2)であり、文字通りデッドヒートを展開したが、ナポリが疑惑の判定で1勝を得ていたこともあり、両チームにとっても少しばかり後味の悪いものとなってしまった。
こうして、マラドーナがナポリに在籍した90-91シーズンまで、ミランとのカードはセリエA屈指(欧州屈指でもあった)の好カードだった。
88-89シーズンからはミランにフランク・ライカールトが加わって最強オランダトリオを形成、これに対してナポリは、ブラジル代表MFアレモンを獲得して強力南米トリオで対抗、試合は常に、スペクタクルに満ちたものとなった(ピッチ内外でエキサイトしすぎるケースも多々あったが)。
マラドーナとオランダ勢による魅惑の対決が展開された期間のなかで、ミランはスクデット1回、チャンピオンズ・リーグ優勝2回(トヨタカップ優勝も2回)、一方のナポリはスクデット2回、UEFAカップ(現ヨーロッパカップ)優勝1回を成し遂げている。まさに、欧州最高レベルの対決だったというわけだ。
マラドーナが84-85シーズンにバルセロナから加入して以降、ナポリは飛躍的に力を上げ、その2年後にはユベントスに競り勝ってスクデットを獲得。そして87年からはミランと世界屈指のスーパースターを擁するチーム同士、魅力溢れる戦いを展開してきた。
しかしこの黄金カードも、90-91シーズンにマラドーナがコカイン服用の罪でピッチを強制的に追われたことで、突然にして消滅した。以降も両チームの対決は実現したものの、ジャンフランコ・ゾーラがいかに奮闘してもナポリは以前の力と輝きを取り戻せず、クラブも弱体化して戦力を失い、ついにはセリエB降格で対峙すらなくなった。
そして今、ナポリは生まれ変わり、欧州の舞台でも活躍できる力を身につけてきたが、逆にミランが長い栄光時代の終わりを迎え、アジアマネーを味方につけた今シーズンも、まだ光明を見出すことができないでいる。
両チームの対峙が、かつてのようなカルチョを代表する黄金カードに戻ることは、この先あるのだろうか。あのスペクタクルに満ちた記憶はいつまでも色褪せることなく、時だけが過ぎていく。
◇マラドーナとオランダ勢在籍時の対戦全成績
1987-88・13節
ミラン 4-1 ナポリ
得点:ミ=コロンボ、ヴィルディス、フリット、ドナドーニ ナ=カレッカ
1987-88・28節
ナポリ 2-3 ミラン
得点:ナ=マラドーナ、カレッカ ミ=ヴィルディス(2点)、ファン・バステン
1988-89・7節
ナポリ 4-1 ミラン
得点:ナ=マラドーナ、カレッカ(2点)、フランチーニ ミ=ヴィルディス
1988-89・24節
ミラン 0-0 ナポリ
1989-90・7節
ナポリ 3-0 ミラン
得点:カルネバーレ(2点)、マラドーナ
1989-90・24節
ミラン 3-0 ナポリ
得点:マッサーロ、マルディーニ、ファン・バステン
1990-91・6節
ナポリ 1-1 ミラン
得点:ナ=マラドーナ ミ=フリット
1990-91・23節
ミラン 4-1 ナポリ
得点:ミ=オウンゴール、フリット、ライカールト、ドナドーニ ナ=インコッチャーティ