【FC東京】今年の俺たちは違う! 今季7度目の「ウノゼロ」に見た進化の証

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年10月04日

中位に甘んじてきた過去を繰り返さないという強い想い。

今季初得点を挙げた河野。橋本のシュートが膝に当たって入った“棚ぼた”には苦笑いだったが、指揮官から与えられた守備のタスクをこなし、試合後は充実感が漂っていた。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 この日のトラッキングデータに目を向けると、走行距離(広島:108.42キロ/FC東京:111.92キロ)、スプリント(広島:92回/FC東京:134回)とも広島を上回る数字だ。比較的広島のサイド攻撃が単調だったとはいえ、ただ単に自陣に籠ってブロックを敷いたのではなく、しっかりと相手に走り勝っている点は評価すべきであり、それにより「守備のリズムに乗せてしまった」(千葉/広島)のは間違いない。「焦れないで最後まで守り切れたのは、今年の東京の真骨頂」と米本も胸を張る。
 
 しかし、米本の視線はすでに前を向いている。
 
「しっかりゼロで抑えて、しっかりチャンスを沈めて勝ち切れた。良いチームになってきたと思う。でも、これで終わりじゃないし、もうひとつ上に行くためには連勝しないといけない。これに満足せず、残りの試合に向かいたい」
 
 FC東京はJ1に再昇格した2012年以降、10位→8位→9位と中位に甘んじてきた。しかし、今季リーグ戦で唯一逆転負けを喫している広島にアウェーの地で見事リベンジを果たした姿から、そして前述の米本のコメントからは「今年の俺たちは違う!」という想いが伝わってくる。同じ過ちを繰り返さないために――。
 
「今年は最後の最後まで行きたい。つまりは優勝を狙っていく、(ステージ順位で上を行く)鹿島や(年間順位で上を行く)浦和に向かっていくということ」(フィッカデンティ監督)
 
 残り4試合のうち、ホームゲームが3回という追い風を受け、FC東京は新たな歴史を作れるか。彼らの挑戦はまだまだ続く。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

フィッカデンティ監督はステージ首位の広島をリスペクトしつつ、守備で綿密な対策を練って1-0の必勝パターンへ。会心の勝利後には「優勝を狙いたい」と意気込みを語った。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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