【広島】2戦連続でノーゴール。それでも佐藤寿人が大記録達成を確信するワケ

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年09月20日

「このチームメイトと一緒なら必ずゴールを取れるという確信がある」(佐藤)

試合後にチームメイトを労う佐藤。自身の記録への注目が高まるなか、仲間への信頼感、そして優勝争いをしているチームへの充実感が見て取れる。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 もっとも、試合後の佐藤はスコアレスドローで勝点1獲得にとどまった悔しさを滲ませつつも、決して悲観的ではなかった。それはチームの課題であり、自身の記録達成のために突き詰める必要がある“ブロックをどう崩すか”という点で、シャドーのスタメンに戻った柴﨑晃誠が守から攻へのスイッチ役して切り替えをスムーズにし、相手がブロックを作っていても「外せる感覚があった」(佐藤)からだろう。

 そして、J1通算最多得点という記録が大きくフォーカスされるなか、佐藤にはひとつの確信と経験に裏打ちされた自信がある。だからこそ、たとえ2戦連続ノーゴールと、“足踏み”をしても、毎試合のようにメディアから記録に関してコメントを求められても、焦れることなく、ドンと構えてチームのために闘うことができる。

「皆さんが一番訊きたいのはゴールのことだと思います。自分が決めないと、記録への話題、注目は終わらない。シーズンふた桁にリーチをかけた時、カズさん(三浦知良)の記録(J1通算139ゴール)にリーチをかけた時、今までいろんな形で経験してきていますから。

 でも、僕のなかではひとつの“確信”があるんです。このチームメイトと一緒にやっていれば、ゴールは必ず取れる、時間の問題だと。この記録は自分ひとりの力ではなく、チームメイトとともに積み重ねてきた結晶。チャンスがある試合もあれば、チャンスがない試合もあると思うけど、来たるべき時にきちんと仕留められるように判断や技術を磨いておかないといけない。勝利につながるゴールで(記録を)決めたい」

 これまでJ1通算100得点、広島でのJ1通算100得点、J1・J2通算200得点と節目のゴールはすべて地元・広島で決めてきた。それだけに、多くのサポーター、家族が見守る前で大記録に並びたかったと試合後に本音を明かしている。

「ホームで、家族が見ている前で決めたかったですね。息子たちも『最多得点を決めて』と言ってくれるし、楽しみにしてくれている、自分の目で見たいと少なからず思ってくれていたので。次はアウェー(の清水戦)ですけど、テレビの画面を通しても応援してくれると思うので、決めて、勝って帰ってきて、またホームの(FC東京戦)を迎えられるようにしたい。清水戦には決めたいと思います。このコメントが次の試合後に出ないように、また1週間頑張ります」

 そうミックスゾーンでの対応を締め括った佐藤は、「また来週お願いします!」と報道陣に声をかけてスタジアムを後にした。その後ろ姿には、先述したチームメイトたちとやっていればゴールは必ず取れるという自信と、優勝を懸けた痺れるシーズンを戦えている充実感が見て取れた。9月26日の清水戦で、広島の“小さな巨人”にサッカーの神様が微笑んでも決して不思議はないはずだ。

取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

9月26日に敵地で行なわれる、次節の清水戦で通算ゴール数を示す「HISA-METER」は157となるのか、注目だ。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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