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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第16回】カタール・ワールドカップを画期的な大会にするテクノロジーの全貌。だがベンゲルは「一番大事なこと」に言及

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年07月29日

ピッチ内でのプレーでワールドカップの価値を示せるようにしたい

FIFA主催のワークショップの様子。

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 またベンチ前にはタブレットがふたつ提供されます。ひとつは18年のロシア大会から許可されたデータ分析などに用いるテクニカル用。もうひとつはメディカル用です。メディカルはアクシデントがあった時に見られるもので、負傷箇所などや状況などもすぐさま分かり、監督やコーチとの連係が取りやすくなっています。

 ただ、ベンゲルさんが良いことを言っていました。「テクノロジーが進み、サッカー界にとってはありがたいことだ。でも一番大事なのは技術。そこを忘れないで欲しい」。まさにそのとおりで、最新テクノロジーではなく、ピッチ内でのプレーでワールドカップの価値を示せるようにしたいものです。コーチングスタッフのひとりとしてワールドカップに参加できるのは名誉ですし、改めてしっかりやらなければという想いにさせていただきました。

 その後は日本に帰国して、E-1選手権やパリ・サンジェルマンの親善試合を見に行きました。これまで何度も記してきましたが、やはり日本と世界の“違い”を痛感せずにはいられなかったです。同時に日本のサッカーファンの目は肥えてきているなとも感心しました。
 
 例えば川崎対パリSG戦。チームを立ち上げたばかりのパリSG相手に、Jリーグ王者の川崎ですら守備の時間帯を長く強いられました。家長昭博選手は個の違いを出せていましたが、チーム全体の戦い方は先月の日本代表vsブラジル代表と似ているように映りました。相手は危険な位置にどんどん走り込んでくるけど、こちらは横パスが多く、ゴールに向かうのではなく斜めにドリブルさせられる。ミドルシュートを打つシーンも少なかったです。もっと個を出せるようにプレーしなければいけませんし、個性を引き出すようにしていかないといけません。

 見ている方々は、世界のサッカーがよりアトラクティブなものになっていることを分かっています。だからパリSGの試合に6万人が入り、鹿島で行なわれたE-1選手権の香港戦では5000人弱になる。日本サッカーのレベルが上がっているのは事実ですが、それ以上に世界のサッカーレベルは上がっています。観客数から目を背けるのではなく、受け止め、そこから進んでいくことも必要ではないでしょうか。
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