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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第11回】“日本らしさ”とは? 考えさせられたFIFAからの言葉「スタイルを持ち続けているのか」

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年03月01日

日本対オーストラリアは、構図としてはセルビア対ポルトガルに似ている

日本代表は3月24日にオーストラリア代表と対戦。勝てばワールドカップ出場が決まる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 セルビア代表のドラガン・ストイコビッチ監督を右腕として支える日本人コーチがいる。“ピクシー”と名古屋でも共闘し、2010年のリーグ優勝に貢献した喜熨斗勝史だ。

 そんな喜熨斗氏がヨーロッパのトップレベルで感じたすべてを明かす連載「喜熨斗勝史の欧州戦記」。第11回は、FIFA主催の『タレントディベロップメントスキーム』会議について語ってもらった。
 
――◆――◆――
 
 いよいよJリーグが始まりました。その前の1月下旬には、日本代表が中国とサウジアラビアに勝利して7大会連続のワールドカップ出場に王手。セルビアの知人にも「カタールで友達に会えそうだな」と言われましたが、次の敵地オーストラリア戦で勝利して決めてくれることを願っています。

 オーストラリア代表が日本代表をどう見ているのかは分かりません。ただ、構図としては我々セルビア代表とポルトガル代表に似ているのかな、とも思います。昨年11月、我々は欧州予選の最終節でポルトガルと敵地で対戦しました。試合前の状況は同勝点ながら得失点差でポルトガルが首位。私たちは勝たないとワールドカップ出場はできませんでした。

 日本代表は現在勝点18で2位。オーストラリア代表は同15で3位。残り2試合で、つまりオーストラリア代表は欧州予選最終節前のセルビア代表と同様に絶対に勝たないといけない。追うほうがフォーカスしやすく、覚悟も固めやすい。「失うものがない」と思えるチームは強いのです。

 ただ、日本代表はサウジアラビア戦で素晴らしい戦いを見せたので、それを続けていってもらえればとは思います。

 私自身の話に戻せば、1月27日から2月6日までの短期間でセルビアに行っていました。就労ビザの延長やその他手続きのためでしたが、セルビアサッカー協会からの派遣でFIFA主催の『タレントディベロップメントスキーム』という会議にも参加させてもらいました。

 その名の通り「育成」「教育」についての会議です。FIFAが各国に様々な方面(例えば施設、心理的サポートの有無、育成年代の選手の継続的なデータ採取など)のアンケートを取って、それをアナライズ(分析)した結果報告です。他国と比べながらそれぞれの国が抱える改善点や継続点を浮き彫りにしてサッカーのレベルを世界全体で上げていこうというもので、実に有意義な時間を過ごすことができました。
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